花の名は
庭の植物たちが生命力をみなぎらせ、花々が咲き乱れている。
愛おしくて愛おしくて、つい、顔を見に行ってしまう。
でも、やることがわんさかあって、なかなかじっくりと愛でることができないのがもどかしい。
やることの筆頭は、梅の実もぎ。
気づかないうち、たわわに実をつけている。
その実が、とてつもなく可愛いのだ。
ほんのりと黄色に色づいた小粒の梅たちは、目にするだけで心が癒される。
こんなにたくさんなるとは、思っていなかった。
さっそく、氷砂糖を買ってきて、シロップを作る。
エルダーフラワーのシロップと合わせると、これまたおいしいらしい。
今年はどっちもノラコヤの庭から収穫できた。
幸せだなぁ。
そうこうするうち、ラベンダーも咲き始めた。
いい香り。
ラベンダーは、シロップにしてもいいし、化粧水にしてもいいし、乾かしてお茶にすることもできる。
万能ハーブだ。
もちろん、フレッシュハーブティーに入れても楽しめる。
そこにラベンダーが入るだけで、なんだかとっても味に深みが出る。

今年は、雑草対策としてとにかく植物を植えている。
雑草が生える余地を与えなければ、彼らは顔を出すことができない。
去年は何も対策をしないでいたら、夏、とんでもないことになった。
だから今年は、先手先手で対策を講じている。
草刈りをしてくれる、心強い助っ人も現れたし。
今の所は、順調である。
ところで、自慢じゃないが、私は花の名前を覚えるのが苦手だ。
はなから、覚える気がないのかもしれない。
よっぽど何度も目にしたり、特徴があれば別だけど。
だって今は、カメラを向ければその植物の名前を瞬時に教えてくれる時代である。
わざわざ少ない記憶エリアを、花の名前で埋め尽くす必要はない。
覚えていなければいけないことは、他にごまんとある。
そんな私が、一発で覚えてしまった植物がある。
それが、この子。
何もそんな名前をあえてつけなくても、と思うのだが。

この子の名は、「ゴロツキアザミ」。
最初見た時、笑ってしまった。
つけた人は、よほどこの子の棘で酷い目に合わされたのだろうか。
でも、なんだかちょっと気の毒な気がする。
そうだなぁ、私だったら、この子になんてつけてあげるだろう。
「イジワルオトメ」?
「ゴロツキアザミ」と大差ないような気もするけど。
時々、悪気があるとしか思えない花の名前に出くわす。
その度に、その植物が可哀想になってしまうのだ。
数日前まで、福岡の糸島からT子が遊びに来ていた。
3泊4日の短い滞在だったけど、大いに笑って、遊び呆けた。
それにしても帰り極、前回の松本と同じことが起きてびっくり。
前回は、私のSuicaを使って預けたT子のスーツケースが、私がそのままSuicaを持って帰ったためにコインロッカーから出せなくなって、大騒ぎした。
でもって今回は、T子が私の車と家の鍵一式を持って帰路についてしまったため、またもや大騒ぎになった。
何故、最後の最後に同じことが2度も繰り返されるのか、不思議でならない。
なんとか里から森に移動でき、無事に山小屋に入れたから事なきを得たけど、大事な鍵が4つ全てないことに気づいた時は、頭の中が真っ白になった。
どうか、3度目は起きませんよう。
ハプニングが一段落して山小屋へ帰る途中、それはそれは美しい山と遭遇した。
一瞬にして全てが吹き飛ぶくらい、見事な光景だった。
今日もこれから、ゴロツキアザミさんに会いに行こう。

