モミの新芽
オハナが家族のメンバーに加わって、早2ヶ月半が経つ。
彼女はすっかり、私とゆりねの日常生活に溶け込んだ。
階段を上り下りできないオハナは1階で、階段を上ることはできるが下りることはできないゆりねは2階で過ごす。
ゆりねとオハナが顔を合わせ、行動を共にするのは、午後の散歩の時間だけ。
あとは、おのおの別の空間にいる。
ノラコヤの寝室は2階だが、山小屋の寝室は1階なので、今は、オハナが近い場所で寝ている。
大体4時くらいから、オハナは私を起こしにくる。
ちなみに、オハナは私のかなり低いベッドへも、上がることができない。
ベッドの真ん中に寝ると顔をぺろぺろ舐められるので、今は、なるべく端っこに寝て、オハナから起こされないように工夫している。
それでも、布団を持ち上げたり、手を舐めたり、あの手この手で起こしに来る。
大体、私が実際に起きるまで、3回くらい、それを繰り返す。
目覚まし時計をかける必要は、全くない。
5時前には着替えて、朝はオハナだけ散歩に行く。
空気がきれいで、朝の散歩は本当に気持ちいい。
最近は、散歩の途中、モミの新芽を摘んでくる。
毎年この時期、新芽が芽吹くのだ。
新芽は鮮やかな黄緑色をしていて、柔らかい。
それを山小屋に持ち帰って、お茶にするのである。
モミの新芽だけのお茶にしてもいいし、生のジャーマンカモミールやエルダーフラワーとミックスしてもいい。
モミには、抗菌や抗ウイルス作用がある。
モミの新芽をはちみつに漬けて、それを食べたら思いのほかおいしかった。
水切りしたヨーグルトと合わせ、薄くスライスしてトーストしたカンパーニュにのせて食べる。
初夏の爽やかな味が、体をすーっと通っていく。
こちらは、ワインのお供にピッタリな味。
モミの新芽でお腹を満たすなんて、なんだかムーミンになった気分だ。
今は、モミの新芽をオリーブオイルに漬けている。

