お日様バンザイ
ようやく雨が上がり、青空が広がる。
雨続きで、なんだか気持ちもくすんでいた。
晴れ晴れとした空に、身も心も救われる。
お日様の偉大さを改めて思い知る、この一月だった。
雨が続くせいで、なかなかノラコヤの収穫に行けなかった。
実りの秋は始まっているのに、柿も栗も胡桃もイチジクも、手付かずのまま。
ようやくゴーサインが出て、週末、ゆりねとオハナを連れて、泊まりがけでノラコヤへ。
里はやっぱり暖かい。
森を出る時は12度だった気温が、山を降りるうちにみるみる上がり、ノラコヤへ着いた時は24度。
慌ててワンピースに着替えた。
大きな大きなイチジクがなっている。
私はただ苗を植えただけなのに、こんなに立派な実をいただいてしまっていいのだろうか。
ノラコヤの庭に植えた果樹は、夏の間、ほとんどが虫に葉っぱを食べられてしまった。
果樹園のような庭に憧れるけど、実際、何もしないで、つまり農薬などを一切使わずにちゃんと果物を実らせるのは、かなり難易度が高い。
素人の私には、お手上げ状態だ。
その点、イチジクとブルーベリーだけは、なんとか、自然栽培で実りを享受できそうな気がする。
特にイチジクは、気候も合っているのか、ものすごい太っ腹である。
柿は、実ってはいるものの、雨続きが影響したのか、すでに完熟して落ちてしまったか、木になっているまま熟しているか、はたまたまだ青いかで、収穫には至らなかった。
去年はあんなになったのにな。
本当に、その年のお天気に左右される。
栗も、拾うのにだいぶ遅れをとってしまった。
時間が経つと虫が入るので、なるべく新鮮なものだけを選んで収穫する。
胡桃も、少しだけだが拾うことができた。
ノラコヤの敷地を拡張したので、今年からは、ますます秋の実りを受け取ることができるようになった。

実りを持って山小屋に戻ると、こちらはもう、日に日に秋が深まっている。
昨夜はついに、薪ストーブに火を入れた。
久しぶりのムッティの出番である。
もうそろそろ煙突の掃除をお願いした方がいいのだろうか、と思いつつ、今シーズンはそのまま使ってみることに。
それよりも、悩みの種は、オハナである。
ゆりねは2階にいるから心配ないけど、オハナは1階と2階を自由自在に移動する。
もう、すごい勢いで階段を駆け上がったり駆け降りたりするので、見ていてハラハラする。
毎回、「オハナゆっくり!」と注意するが、聞く耳を持たない。
薪ストーブのそばにも自らの意思で近づけるから、気が気じゃない。
まだ子どもで、好奇心が旺盛な分、こちらが本気で気をつけないと、とんでもないことになる。
今日は、一日山小屋で過ごす。
まずは、栗仕事。
去年編み出したやり方で、一度蒸してから皮を剥く。
犬にも女子と男子の好みの違いがあるのかどうかはわからないが、うちのわんこたちは、どうやら栗が大好物のようで、私が栗と悪戦苦闘する間、ずっとそばに張り付いて、キュウキュウ甘えた声を出してみたり、かと思えば飛びついたりして、あの手この手で栗のおこぼれを催促する。
雨に当たったせいで虫に喰われていることを覚悟していたが、今回拾った栗のうち、虫喰いは一個だけで、あとは全て健全だった。
しかも、ホクホクして甘く、ものすごくおいしい。
これぞ、秋の味。
ついつい作業しながら手が伸びて、全てをむき終える頃には半分近くが三つの胃袋に移動していた。
栗の木もまた、お世話らしいお世話はなーんにもしていないのに、こんなに豊かな恵みを与えてくれて、本当にありがたい。

夕方、ゆりねとオハナを連れて森を散歩していたら、みるみると霧が出てきて、幻想的な世界になる。
あまりの手の冷たさに、手袋を身につけた。
いよいよ、最低気温が一桁台。
秋どころか、一歩ずつ、冬が近づいている。