花子さん
連日、午前中にぐんぐん気温が上がり、お昼くらいから雷雨になる。
去年までは夕立だったのにな。
うっかり洗濯物を外に干して外出すると、大変なことになってしまう。
ゲリラ豪雨とは、よく言ったものだ。
雷が鳴るとゆりねがブルブル体を震わせるので、そういう時は極力一緒にいてあげたい。
先週から、花子さんに乗っている。
私の場合、植物やら動物やらとにかく大きな荷物を運ぶので、たくさん積める車を手に入れたのだ。
これなら、海と空もストレスなく車で移動させられる。
花子さんは、電気自動車。
極寒の時は難しいが、それ以外の季節は大丈夫だろう。
山小屋にソーラーパネルを設置してあるので、そこから充電する。
つまり、花子さんは太陽光発電の電気で走る。
一回の充電で160キロくらい走れるようになるから、普段の移動には全く問題ない。
念のため近くの急速充電を調べたら、道の駅にいくつかあり、ありがたいことにタダで充電ができるらしい。
何が環境に良いのかいまだ模索中だけど、花子さんが来てくれたおかげで、また一歩、理想の暮らしに近づけたかもしれない。
今、花子さんとのドライブが、楽しくて仕方ない。
いくらでも荷物が積めるし、気兼ねなく汚せるし、軽トラか迷ったけど、花子さんにして正解だった。
充電する時間帯も、自分で設定できて、スマホで簡単に操作ができる。
つくづく、便利な世の中だ。
で、その設定をするために、アプリをダウンロードした時のこと。
パスワードを入力して、それを忘れた時のクイズ(?)的な質問と答えを入力するのがあった。
出身地は? とか、初めて見た映画は? とか。
自分しかわからないような答えを記入し、いざという時に助け船を出してくれるというアレ。
その質問に、「母親の旧姓は?」というのがあって、ん? と思った。
なぜ、母親に限定してあるの?
父親の旧姓は、なぜ聞かない?!?
改姓するのが母親(女性)に限定されているのは、おかしくない???
正しくは、「父親または母親の旧姓は?」ではないだろうか。
そういうところからも、じわじわと、姓を変えるのは女性の側という認識が刷り込まれ、それが当たり前だと思わされているのだと感じた。
選択的夫婦別姓制度が遅々として進まないのも、こういうことなんだろうなぁ。
ちなみに、私の両親の場合、父親が婿入りしたので、父の方が姓を変えている。
どういう経緯でそうなったのかはわからないけど。
今から思えば、かなり珍しい選択だったのかもしれない。
今朝も、花子さんと温泉に行ってきた。
やっぱり、畑のそばの草むらに犬が繋がれている。
数日前、初めて見つけて、もしかして捨てられているのかと心配になり、一度山小屋に戻って水とドッグフードを持ち、再度様子を見に行ったのだ。
どうやら、捨て犬ではなく、鹿避けのために繋がれているらしい。
でも、炎天下で相当暑くなるし、日差しを遮る屋根もなく、ゲリラ豪雨が来たって逃げ場がない。
夜中、ずっとそこに繋がれたままで、寂しくはないのだろうか。
車が通ると、犬は、遊んでほしそうに、尻尾を振ってお座りする。
その犬を見るたびに、やりきれない気持ちになる。
自分も含めて、人間って、本当に身勝手だなぁ。
広大な畑では、今日も外国から働きに来ている若者たちが、せっせっと朝早くから収穫の作業をやっていた。
どうか、みんなにとって、暮らしやすい幸せな世の中であってほしい。