信州夏旅

立て続けに2回、旅行に行ってきた。
前半は、新潟から北信、富山と巡る日本海側へ。
一度山小屋に戻り、再び北信へ。

森暮らしを始めてからすっかり出不精になり、旅といえば、長野県内を楽しむのが主流になった。
海こそないものの、長野県は広大で、表情も豊か。まるで小さな国のよう。
美しい自然も、おいしいものも、温泉もたくさんあるから、県内だけで十分楽しめるのだ。
海がないとはいえ、北の端まで行けば、日本海はもうすぐそこ。

日本海側を巡る旅では、氷見まで行ったので、最終日に足を伸ばし、能登へ。
一本杉商店街がどうなっているのか、この目で確かめに行く。
地震の傷跡が、まざまざと残っていて胸が痛くなった。

しら井昆布店はまだ営業しておらず、鳥居醤油店も本格的な営業再開には至っていない様子だった。
白井さんにも鳥居さんにもお会いできないまま、能登を後にする。
能登に活気が戻る日を祈るばかりだ。

新潟の糸魚川では石拾いに没頭し、湖のほとりでサウナも満喫した。

普段は口にできないようなおいしいものをたくさんいただき、最高の夏旅だった。
気がつくと、7月もあっという間に半分以上が過ぎ、私はもうすでに夏の終わりを感じ始めている。
この後はもう大きなイベントもないし、来月控えている大仕事に向けて、また少しずつ気持ちを整えていこう。

山小屋に連れて帰った糸魚川の石たちは、丸くて、どの子も愛らしい表情をしている。
ヒスイ海岸は、噂の通り、宝の山だった。
拾っても拾ってもキリがなく、自然の力だけでこんなに美しいものが誕生することに、改めて感動した。

石たちは、いきなり高いところに来て、びっくりしているだろうか。
海抜ゼロメートルの所から、標高1600メートルの山の中へ。
でも、不思議だけれど、かつてはここも海だったのだ。
私の行動範囲は、ほぼフォッサマグナ内に収まっている。

友人らが帰り、久しぶりに静かな朝を迎えた。
立派なタマゴダケを見つけて、嬉しくなる。
夜はこれでパスタを作ろう。