のら柿ジャム
ノラコヤで採れた柿の実が、どんどん熟して柔らかくなったので、慌ててジャムにした。
そのままで十分甘いので、砂糖はほんの少しだけ。
軽く火入れをして、シナモンとライムで風味をつける。
本当に適当に作ったのだが、あまりにおいしくて自画自賛。
ふだん、ほとんどジャムは口にしないのだけど。
ほぼ自然の甘さなので、そのままでも食べられる。
先日、おいしい食パンを手に入れたので、今日の朝昼ごはんはトーストにした。
これでもかというくらい分厚く切って、グリルで焼いた。
そこに、バターとのら柿ジャムをたっぷりつける。
あぁ、至福。
子どもの頃は、こういう朝ごはんに憧れたものだ。
うちは、ご飯とお味噌汁が基本だったので。
のら柿ジャムのバタートーストに酔いしれていたら、小雪が舞ってきた。
食べ終わってコーヒーを淹れる頃には、本降りの雪になる。
今月で3度目の雪。
もう、花子ちゃんも一郎くんも冬タイヤに履き替えたから、安心だけど。
雪が降ると、なんでこんなにワクワクするんだろう。
リモートによる打ち合わせを終えて、ノラコヤへ。
山を下りる途中で、雪から雨に変わる。
ノラコヤの掃除を終え、温泉に寄って、再び山へ。
上から来る車の頭に雪がどっさり積もっている。
結構、降ったらしい。
山小屋とノラコヤでは標高差が900メートルあるので、環境がかなり違うのだ。
だいぶ山の上の方まで来たところで、ものすごい光景と遭遇した。
うっすらと雪化粧した山のてっぺんに、ピンク色の夕陽がさしている。
思わず車を停めて、外に出た。
山の頂に、天使の輪っかが光っている。
こんなにも美しいものを、タダで見せてくれるなんて!

あの光が闇に飲まれるまでずーっと見ていたかったけど、路面の凍結と留守番のゆりねが心配なので、再び帰路につく。
凡庸に終わるはずだった今日という一日が、いきなり特別なものになった。
ありがとう。
帰ると、山小屋はすっぽりと雪に包まれていた。
