読書感想文
毎年、夏休みの楽しみは、読書感想文を書くことだった。
それを言うと、大体の人からギョッとされる。
小学1年生の頃からずっとそうだったので、みんなも、自分と同じように読書感想文を書くのを楽しみにしていたとばかり思っていた。
多くの人にとって読書感想文があまり嬉しくないものと知ったのは、大人になってからである。
書けば必ずといっていいくらい賞をいただけたので、それがやる気になった。
あとは、じっくりと一冊の本の内容に向き合えるのも、喜びだった。
小さい頃、そんなにたくさんの本を読んだ覚えはないけれど、読書感想文を書くにあたって読んだ本は、結構、覚えている。
そんな話を小耳に挟んだ毎日新聞社の方からお声がかかり、今度、読書感想文のイベントに参加することになった。
その打ち合わせで、過去のことを色々とお話していたら、私が中学生の時に書いて大きな賞をいただいた読書感想文の話題になり、それを探してくださったのだ。
なんと、国会図書館に残っていたという。
私も、手元にないことを寂しく感じていたから、それには大喜び。
私は中学2年生の時に書いたと思っていたのだけど、どうやら中学1年生の時の作文らしい。
『はてしない物語』を読んでの感想文だ。
その文章と、久しぶりに対面した。
結構、覚えているものである。
言葉遣いとか、文章のリズムとか。
今から思うと、ずいぶん、大人びたことを書いている。
あの時は、本当に不思議な体験をした。
本を読みながら、頭の中に書くべき文章が滝のように流れてきたのだ。
私は、それをそのまま文字にするだけでよかった。
そういう経験は、いまだに、あの時一回しかない。
毎日新聞社主催の読書感想文イベントは、7月2日(土)の午後2時から、会場とオンライン、両方で行われます。
詳細は、「お知らせ」にアップしましたので、ご興味のある方は、ぜひご参加くださいね。