ヒマラヤ合宿①
(9月15日)
昨日は、旅仲間であるトリスタンと、ムンバイの空港からレーへ飛び(飛行時間3時間)、そこからラダックへ車で移動した。
ラダックは、標高3500メートルにある北インドの町だ。
日差しが強い。
私のこの体が地球に誕生して、ほぼ半世紀が経つ。
その中で、もっとも高い場所に体を運んだことになる。
これまでは、富士山頂が、私が自力で行ったもっとも高い場所だった。
それを今回、何度か更新する。
レーの空港に着いた時はそうでもなかったけれど、ホームステイ先に着いてお昼を食べたあたりから、だんだん体が重くなった。
空気が薄いのが如実にわかる。
高山病にならないよう、ムンバイの薬局でダイアモックスを買い、それを一昨日から飲んでいる。
それでも、頭が少しぼーっとした。
とにかく着いた日は、何もせずにじっとしているのがいいと聞いていたので、お昼を食べてから布団で横になった。
そしてそのまま、晩ご飯も食べずに寝続けた。
寝る以外の行為が、何ひとつできない。
途中、トイレに起きたら曇っているのに星が綺麗で一瞬だけ目が覚める。
四方八方、どこを見渡しても、山、山、山、山。
その谷間に、点々と村がある。
山の頂と雲の近さで、この場所の標高がうんと高いのだと実感する。
一応、今はここもインドだけど、チベット仏教の影響が大きく、住んでいる人たちも、みんな日本人に近い顔をしているから、インドにいるという気が全然しない。
どこを見渡しても喧騒しかなかったムンバイとは別世界で、もうここは本当に静かで、平和だ。
道路にはのんびりと牛が歩いているし、花々が咲き乱れ、水も空気もものすごく澄んでいる。
一晩ぐっすり眠ったら、だいぶ体がこの環境に慣れてきた。
呼吸も、昨日ほど苦しくは感じない。
ホームステイ先の一家には、ここで生まれ育った主人と、日本人の奥さんと、子どもが3人(そのうち長女は日本に留学中)、猫2匹、犬1匹がいる。
本当に穏やかな暮らし。
今、黒い方の猫が私の太ももをマットレスにしてうたた寝している。
ゆりねより、ずっと軽い。
明日はぴーちゃんも合流し、本格的なヒマラヤ合宿がスタートする。
トリスタンとこういう時間を過ごすのは、モンゴルのゲルで一夏を過ごして以来だ。
モンゴルと違うのは、新鮮な野菜がたくさん食べられること。
一家は、有機農法で野菜を育てていて、そのお野菜がとてもおいしい。
せっかくなので、チベット仏教について勉強しよう。
午後は、トリスタンと近所を少し散歩して、瞑想するのに良さそうな場所を見つけたい。