ハローお日様

久しぶりにお日様の顔を見た。
昨日までずーっとずーっと雨。
このまま秋になってしまうのでは、と不安になるほど。
昨夜なんかは土砂降りの雨で、恐怖を感じた。

今日の夕方、久方ぶりに太陽の眩しさに目を細める。
空にお日様の姿があるだけで、気持ちが明るくなる。

東京では時間割で動く生活だった。
何時になったら食事をして、とか、何時になったらゆりねの散歩に行って、とか何時になったら銭湯に行って、とか。
でも、山では全てがお日様の動向に左右される。
今行かなかったらもう今日はゆりねの散歩に出られない、となれば、仕事そっちのけで散歩に行かなくては次にいつ行けるかわからないし、今はまだ晴れているけれど、もう少ししたら雨が降ってくるかもしれない、となれば、温泉に行くのを諦めたりしなくちゃいけない。

時間割で動くことができたのは、都会暮らしで、ある程度自然が制御されていたからだと気づいた。
とにかく、山では常にお天道様のご機嫌を伺い、クンクンとゆりねみたいに空の匂いを嗅ぎながら、この先どうなるかを自分で判断する能力が試される。
一応、天気予報もあるにはあるけど、山の天気は変わりやすいから、それは自分の勘を鋭くしていなくちゃいけないことにはたと気づいた。

もしベルリン暮らしの経験がなかったら、きっとここ数日の雨続きに気持ちが滅入っていたに違いない。
でも、なんとなくその分野は、結構鍛えられている。
そもそも私は、裏日本と呼ばれる日本海側で育った。

とにかく、お日様の恵みを無駄にしないように、お日様の動向に合わせて自分も行動すればいい。
太陽が顔を出したら、まず洗濯物を陽の当たるところに出して、自分は庭に出る。
そして、香ばしい空気をたくさん吸う。
森の香りを吸ったり吐いたりしているだけで、ものすごく気持ちが健やかになる。

お休みの日は、朝と晩、お日様に「いただきます」と「ごちそうさまでした」の感謝の気持ちを伝える気分で、瞑想をする。
今日は、オンラインでヨガもやった。
森暮らしのルーティンも、少しずつ固まりつつあるのが嬉しい。

今夜は、久しぶりに妖精さん(とってもおいしい白いキノコ。正式名、白麗茸)をいただいた。
グリルで焼いて、それに自分で作ったバジルペーストをつけて。
やっぱり、素晴らしいお味だ。
目の前に、鮑のステーキと妖精さんを出されて、どっちか食べていいと言われたら、私は迷わず妖精さんに箸を伸ばすだろう。

夜は、ワインを飲みながら、大音量で音楽を聴く。
森の中だから、お隣さんを気にすることなく音楽が聴けるのがいい。
今聴いているのは、モンポーだ。