貴婦人化

オハナが、ソファに座り、窓から外の様子を眺めている。
背筋をビシッと真っ直ぐに伸ばして、微動だにしない。
最近、ふと見るといつもこう。
まるで、小指を立てて紅茶を飲みながら物思いに耽る貴婦人のようなのだ。
落葉の様子を見ながら、感傷的になっているわけでもないのだろうけど。
その姿は、本当に優雅で、美しい。
変われば変わるものである。

今朝は、気温がぐんと下がって0度くらいだった。
外に出ると、初霜が降りている。
車のフロントガラスはシャーベット状になり、風で、かなり落葉も進んでいる。
今日で、オハナは2歳になった。
お誕生日、おめでとう。

私のところにやって来て、半年ちょっとが経過した。
何度、脱皮したことか。
今では私のベッドを占領して、お布団のど真ん中で寝る犬になった。
毎晩、ふとん争奪戦に苦労する。
ほんの少しのベッドの段差すら、上がれなかったのに。
もしかすると、オハナ自身が、自分の変化にもっとも驚いているのかもしれない。

誕生日プレゼントに、仔牛の肋骨をあげた。
もちろん、ゆりねにも。
ふたり揃って夢中で骨を齧る姿を見ながら、私は幸せな気分になった。
かわいいなぁ。
オキシトシンが、じゃぶじゃぶ溢れてくる。

オハナは、トリミングしたての頃より少し毛が伸びて、今は昭和の使い込んだ毛布みたいな肌触りだ。
このまま伸ばせば、また元のナマハゲに戻るけど。
あの頃の写真を見ると、何度でも笑ってしまう。
毛とは、一体なんなのか?

今日は、オハナの好きなお池の周りを一周する。
最近、風が強くなり、オハナが怖がって歩かなくなる。
ゆりねも、森暮らしの一年目はそうだったなぁ、と思い出す。
みんな、頑張って生きている。
その健気な姿を、間近で見ていられるのが嬉しい。