オハナとお花

ようやく、オハナの抜糸が済む。
オハナゆえ、最後まで何が起こるかわからないから、これでようやく一安心。
傷口も綺麗に塞がり、先生も、ホッとしているご様子だった。

人間の子どもでも、手のかかる子と手のかからない子がいると思うが、犬もそうで、オハナは明らかに手のかかる犬だ。
お散歩ができなかったり、ゴハンを食べなくなったり、血が止まらなくなったり。
ゆりねは全然手のかからない犬なので、そういう意味では正反対かもしれない。
別に、オハナが悪いわけでもなんでもないけど。

何かと問題は起きて、その度に私は右往左往し、でもお互いに協力することでなんとかその難題を解決し、そこから次のステップへと進む。
時が過ぎれば、そんなこともあったねぇ、なんて、あっけらかんとしているのだ。
決して心身が弱いわけでもなく、むしろその都度鍛えられて、生命力に強さと輝きが増すように感じる。
私も、オハナによってだいぶ鍛えられた。

もうすぐオハナが来て半年になるが、来た当初は、誰とも目を合わせることがなく、表情も乏しく、確かに、ハシビロコウのようにじーっとしたまま動かなかった。
そんなオハナが、抜糸が済んで、術後着も着なくて良くなり、完全にお腹を上に向け、仰向けになってぐっすり寝ている。
まさか、こんな日が来るとは! 半年前は、想像もしていなかった。
この犬は一生、うつ伏せで寝るのだろうと思っていたのに。

当初、オハナ用の、つまり大型犬用の伸縮リードは、私には大きくて重たかった。
こんなにかさばるリードを毎回持って散歩に行くのかと、やや、暗澹たる気持ちだった。
でも今では、すっかり慣れた。
朝のお散歩も楽しみでしかない。

先日、久しぶりにアロマセラピーの施術を受けたのだが、セラピストさんに、何か運動とかしてるんですか? と聞かれた。体がほどよく鍛えられているとのこと。
特別な運動はしていないけど、この半年、オハナの面倒を見るうちに自ずと鍛えられたのだろう。
ゆりねとオハナ、2匹を連れてのお散歩も、今では当たり前になった。

動物のお世話が一段落したので、次は植物たちのお世話へ繰り出す。
夏を越したことで、植物たちの多くがかなり暑さで弱っている。
そりゃあ、暑かったよね。
扇風機でも当ててあげられたらいいのだけど。

ホップをつみ、ひまわりの種を集め、お茶にするハーブを収穫し、山小屋に飾る花を切る。
花は、だいぶ数が減ってきて、こうして摘み取ることができるのも、時間の問題かもしれない。
やっぱり庭に花が咲いているとそれだけで場が華やぐから、来年はもっと花を植えよう。
ローズマリーは、生のままオリーブオイルにつけて、サラダなんかにかけていただだく。

ひまわりの種を持ち帰り、山小屋の2階の大きい窓のところで天日干しをしていたら、朝、誰かが窓をコンコンと叩いた。
ふと顔を上げると、茶色い鳥が一羽、ひまわりの種を啄もうと奮闘している。
慌てて私は、下にある、下にある、と身振りで示す。
玄関先の雨の当たらない場所に、B級品のひまわりの種を置いているのだ。
言葉が通じたわけではないだろうけど、茶色い鳥は、外に出ているひまわりの種に気づいたらしく、下の方を目指して飛んでいった。
天日干ししている分は、冬まで待って、鳥たちへのクリスマスプレゼントにするつもりだ。

雨が続くので、鳥もシーも、みんな食べ物を求めて彷徨っている。
オハナには、雨の日でも外に出られるよう、新しいゴアテックスのレインコートを新調した。
試しに私が被ってみたら、私でもなんとか着られそうだった。
本人、まんざらでもないらしく、ここ数日、雨の中をルンルンで歩いている。