温め中
ノラコヤの2階に干していた洗濯物を取りにったら、おや? 窓に見慣れぬものがある。
山小屋もそうだが、風を通す機能として、網戸とガラス窓の間に、20センチほどの空間があるのだ。
夏場は、風を通したいので、窓は、ほぼ開けたまましてある。
私はよく、その空間を野菜などを保管するのに使っているのだが、そこにあるのは明らかに外部から持ち込まれたもの。
不審に思い、近づいてよく見ると、同じくらいの木の枝がふわりとすり鉢状にまとまっている。
数日前、風の強い日があったので、枝が風で飛ばされてきたのかな? とも思ったが、中央の窪みには何らかの意図が感じられる。
洗濯物を取り込んでいたら、一羽の鳥が枝をくわえてやってきた。
そこに作られていたのは、鳥の巣だったのだ。
近くの木に、立派な巣箱を設置してあるのに、あえてこの場所を選んだとは!
一瞬近くで見た巣の美しさを思い出して、感動した。
同じような素材を集めて、美しい形に仕立ててあった。
それからは、なるべく巣に近づかず、ノラコヤに行っても、なるべく音を立てないように気をつけている。
どうか、無事に雛がかえりますよう。
現在、卵は三つ産み落とされているが、何の鳥かは、いまだわからない。
ここで雛がかえって、巣立っていったら、どんなに幸せだろう。
それまではもちろん、窓は開けたままだ。
ノラコヤの2階には、そーっとそーっと忍び足で歩き、当面は、「お静かに」を心がける。
結局、入居者募集中のミツバチアパートは今年も内見だけで契約には至らなかったが、その代わり、鳥がやって来た。
よくぞ、いい場所を見つけたものである。

今月は夏休みにしているので、平日でも好きなように行動している。
先日は、ふと思い立って、山登りに行ってきた。
初心者向けと言うわりには結構険しく、2時間弱、気の抜けない登山だった。
でも、ゴールの池の姿に、疲れが一気に吹き飛んだ。
こんなに美しい地球の姿を見せていただけるなら、苦しくても、また会いに行きたくなる。

下山して、コーヒーをいれてホッと一息。
夏の、正しい過ごし方だ。
