梅の花茶
ノラコヤの庭にも、春が来た。
真っ先に花を咲かせたのは、蝋梅である。
蛍光塗料を塗ったみたいな、眩しい黄色い花が咲いた。
鼻を近づけると、とても甘い香りがする。
たった一輪咲いているのを見るだけでも、体の強張りが抜けて、ホッとする。
つい、窓から咲いている姿を眺めてニンマリする。
続いて、スノードロップが咲き、ナンジャモンジャの木についたポップコーンみたいな蕾も、昨日くらいから咲き始めた。
先週末からグッと気温が上がり、土もだいぶ柔らかくなっている。
今日は朝から、恵みの雨。
先日訪ねた草花料理のお店で、最初に出してくださったのが梅の花を使ったお茶だった。
小さな花弁を急須に入れて、熱いお湯を注いでしばらく待つと、香り高い梅の花茶ができた。
ほんわりと早春の香りがして、それはそれは素敵な味わいだった。
この冬、せっせと庭に撒いた海と空の糞が、どんな働きをしてくれるのか、期待に胸が膨らんでしまう。
変な話だが、私は一日に一回、朝昼ごはんを食べた後、海と空の糞を集めることに、なんだかしみじみと喜びを感じるのだ。
どっちがどっちの糞かも、だんだんわかるようになってきた。
黒豆みたいな艶々の糞は、彼らが健康である証。
おやつ制限をしたかいあって、海も空も、背中に稜線が見えるようになってきたし。
ところどころ雑草も姿を現してきたので、これからの季節、彼らに本領を発揮していただきたい。
ところで、最近、お風呂のサウナに困ったさんが出没する。
そこはミストサウナで、中はそんなに広くなく、せいぜい4人が限界のスペースだ。
その人は、その狭いスペースで、柔軟体操をするのである。
歳の頃は、70代後半か。
手足がヒョロリと長く、どうやらバレエの先生をやっているらしい。
狭い床に手足を広げ、体を伸ばしたり、好き勝手に使っている。
しかも、態度や口が、ものすごく悪い。
できれば、関わりたくない相手である。
そのお風呂は、ほとんどが常連さんで、来ているのは近所のお年寄りなのだ。
サウナはおばあちゃんたちの憩いの場で、のんびり世間話をするような場所。
そこに、ピリピリしたムードの彼女がひとりいるだけで、空気が張り詰める。
本人は、誰もいないから自由に使っているだけだと主張するのだろうけど、その人がいるから、みんな入らないだけのこと。
なんだかなぁ、と思う。
バレエって、心の綺麗な人が踊ってこそ、美しいのでは?
あんなに態度の悪い人の踊りなど、それがどんなに技術的に優れていても、私は見たいと思わない。
春の到来と共に、急にやることが増えて忙しくなってきた。
種を取り寄せたり、蒔いたり、苗を育てたり、やることは尽きない。
今年こそは、どうかミツバチアパートにミツバチたちが入居してくれますように。
心なしか、鳥たちの鳴き交わす声も明るくなってきた。
また、緑たちの季節がやって来る。