栗と

秋だなぁ。
山小屋の周りは、だいぶ紅葉が進んでいる。
よく考えると、秋はたいてい用事で里に下りていたりすることが多かったので、この時期、どっぷりとお山の秋を堪能するのは初めてかもしれない。
赤や黄色に色づいた葉っぱは、風が吹くと地面に落ちてくる。

これから毎年この時期に栗仕事をすることを考慮し、栗むき機を買った。
ハサミのような形状で、ガシッと両方の刃で栗を挟んで、カニ歩きのように横に動かしながら栗をむく。
それを使ったからといって、ものすごく楽になるかというとそんなこともないのだが、まぁ、包丁でむくよりは効率的かもしれない。

ひとつ、大きな発見があって、栗は、二箇所くらいに切れ目を入れて、それを蒸すと、簡単に皮がむける。
その切れ目を入れる作業を、栗むき機でやると、かなり手際良くできる。
今まで、栗は茹でて食べていたけど、蒸した方がホクホク感が増すように思う。
しかも、蒸した直後は、夏みかんの皮をむく感じで、手で皮をはがすことができるのだ。

渋皮煮の場合、包丁を使うと、渋皮を残して鬼皮だけをむくのが、結構難しかったりする。
でも、上のやり方で蒸してからむくと、鬼皮だけをきれいにはがすことができる。
渋皮煮、手間がかかるし今年はやるつもりなかったのだが、この方法に行き着いたおかげで、いい感じにできた。

途中で割れてしまったりしたものは、白花豆と一緒にポタージュに。
これがまた絶品で驚いた。
入れたのは、玉ねぎと白花豆と栗だけ。

もちろん、渋皮までむいた状態で、冷凍もしてある。
お米が手に入らなくなったら、栗でしのがねば!
今は、ゆりねの手作りごはんにも、栗を入れている。
ゆりねは、栗が大好物。

あのイガ、さすがに海と空は食べないだろうか。
どうなんだろう?
食べるのを想像するだけでお腹が痛くなるけど、結構平気でむしゃむしゃ食べるような気もする。

不思議に思うのは、あんなにたくさんイガが転がっているのに、いつの間にかなくなってしまうこと。
土に返っているのだろうか。

今日は、栗ご飯を炊くため、ノラコヤへ。
珍しく、富士山が完璧なシルエットで裾の方まで見える。
またぼちぼち、ヨモギなんかが生えてきたので、それを見つけては抜いていく。
鉄は熱いうちに打てと言うけれど、雑草も若いうちに抜いた方が、後々楽だ。

この夏、私はダリアの美しさに目覚めた。
去年まで、ぜーんぜん視界に入っていなかったのに。
今は、かわいくて、かわいくて仕方がない。
ノラコヤの庭の花が減ってきたので、里のお花屋さんでダリアのブーケを買ってきて、飾っている。
あんなにかわいいまあるいボンボンが、地面から出てくるなんて、すごいなぁ。
来年は、ノラコヤの庭でも種から育ててみよう。

もう一週間を切ってしまったけど、来週末、長野県須佐市に新しくできる本屋さんで、サイン会を行います。
詳しくは、「お知らせ」のページをご覧くださいませ。