べっぴんじゃがいも
今、一緒に新聞連載のお仕事をしている素描家のしゅんしゅんさんが、広島からじゃがいもを送ってくださった。
安芸津産の「べっぴんじゃがいも」とのこと。
確かに、お肌がすべすべて、男性名詞か女性名詞かどちらかをつけるなら、私は断然、女性名詞をつけたくなるような麗しいお芋さんだった。
たーくさん届けてくださったので、方々へお福分けをする。
それにしても、東京は暑いのぅ。
まだ6月なのに、この暑さは何なんだ。
もう、梅雨も終わったという。
節電が叫ばれているので、なるべく熱源を無駄にしないよう、じゃがいも達をお鍋に詰め、一度にまとめて下茹でした。
スーッと竹串が通るくらいまで火が通ったら、それで調理完了。
茹で上がったばかりのじゃがいも達は、見ているだけで幸せになる。
じゃがいもを見ていたら、不意に、バルト三国に行った時の食卓を思い出した。
上の方から、エストニア、ラトビア、リトアニアと、小さな国が三つ縦に並んでいる。
隣にひかえるのは、ロシア。
ここ最近のニュースで、バルト三国の位置を理解した方も、たくさんいらっしゃると思う。
訪れるのは、大体初夏の頃だった。
どの国でも、テーブルにはじゃがいもが並んでいたっけ。
じゃがいもは、ご馳走だった。
自分の足元を見つめ、慎ましく、けれど豊かに楽しく暮らしている人達。
私は、そんなバルト三国に暮らす人々から、大きな影響を受けたし、たくさんのことを学ばせてもらったし、彼らを心から尊敬している。
ウクライナに起きている悲劇が、バルト三国にまでも広がるようなことがありませんように。
ウクライナの人々が、一刻も早く自分の家で安心して暮らせるようになりますように。
健やかなじゃがいも達を見ていたら、そんなことを祈っていた。
茹でたじゃがいもは、半分は冷めてからそのまま冷蔵庫に保管し、半分は、作り置きしておいたバジルペーストであえてみた。
ほんの少し、お酢を効かせて。
ありがたく、いただいた。
私は今、段ボールに囲まれてこの文章を書いている。
来週、八ヶ岳に荷物を移すのだ。
完全に移住する訳ではないから、荷物はほんの一部なのだけど、それでも、結構な量になる。
ベルリンで使っていた家具や食器、台所用品も、ようやく八ヶ岳の山小屋で使うことができる。
それが、何より嬉しい。
ベルリンからの荷物があったせいで、東京の家が、かなり飽和状態になっていた。
暑いので、頭に濡れ手ぬぐいを巻いている。
その際、濡れ手ぬぐいに、シュッシュッとハッカのスプレーをかけているので、かなりひんやりする。
これ、暑さ対策にオススメです。
あとは、こまめに水風呂に入るのも効果的。
朝は、4時半に起きて、ゆりねの散歩に出かけている。