朝5時半に起床し、お茶を飲み、お祈りをし、ヨガをして、ゆりねにご飯をあげ、新聞を読んで、お弁当を作り、身支度を整え、いざノラコヤへ。 小屋はまだできていないけど、邪魔にならない場所でちょっとずつ野良仕事を始めている。 見上げた空は快晴だ。 少なくとも一週間に一回は、思いっきり野良がしたい。 私が里におりている間にも、雑草たちはのびのびと育っていた。 自分の植えた苗と雑草の区別が全くつかない。 最近知り合ったカメラマンの女性が、ずっとモロヘイヤだと思って食べていたのがただの雑草だったという笑い話をお披露目してくれたけど、私の畑もまさにその状態。 面白いと思うのは、季節によって顔を出す雑草も入れ替わるということ。 ずーっと同じメンバーが居座るのではなく、そこは交代制(?)になっていて、夏はあんなに蔓延っていたヒョウ(スベリヒユ)も、今はもう跡形もなく消えている。 そんなんだったら、もっと収穫しておけばよかった。 お休みだから大工さんもいないだろうと思って行ったら、働いていらっしゃる。 お仕事の邪魔にならないよう、そそくさと隅の方から手をつけた。 やることはいっぱいある。 どこから始めて良いのやら、途方に暮れてしまう。 今日は、先日ゲットした、オリーブと金柑と月桂樹とレモンとリンゴの木を植えた。 以前植えたものの、ちょっと植える場所を間違ったかもしれない、という木に関しては、別の場所に引っ越してもらう。 アフリカン・ブルーバジルが、ものすごい勢いで広がっている。 山小屋では、こんなふうに植物がわーっと元気よく成長するということはまずあり得ないのだ。 やっぱり、里では植物がよく育つ。 少し前に植えたラディッシュも発見した。 雑草をかき分けると、地面の上にひっそりとラディッシュが横たわっていた。 その姿の美しいこと。 あんな小さな種が、こんなに見事なラディッシュになるなんて! すぐに、水で洗って齧ってみる。 ものすごく瑞々しくて、素晴らしい味。 初収穫だ。 11時、お腹が空いてきたので、外に椅子を出してお弁当を広げる。 野良仕事は、お腹が空く。 レンチンしたご飯に、焼いたお肉をのせただけの、本当に本当に恥ずかしいくらい可愛げのないお弁当だけど、外で食べると美味しいのだ。 数日前茹でた枝豆も、美味しい。 食後は、山小屋から持ってきたお湯でコーヒーを作り、これまたちょこっとだけ残っていたシベリアを食べ、ひとりニンマリ。 風景が美しいというのは、最高の贅沢だ。 この土地を選んだのも、里の景色が美しかったから。 私はなるべく、美しいものを見て人生を終えたいと思っている。 その点に関しては、かなり貪欲な方かもしれない。 午後、せっせと道路際の地面を手鎌で整えていたら、ご婦人に声をかけられた。 どうやら、ご近所さん。 ピアニストだそうで、彼女の家からはいつもピアノの音が聞こえる。 以前、旦那さんとは言葉を交わしたのだが、彼女と話すのは初めてだ。 彼女が下の名前で自己紹介をしたので、私も下の名前をお伝えする。…