静かに過ごす

少し前、光時計を買って使うようになってから、目覚めが格段に気持ちよくなった。
光時計は、目を覚ましたい時間の確か30分前から明かりが付き、その明かりも3段階あって、最初は仄暗い明るさ、次に真ん中の明るさ、最後に一番強い明るさになる。
たいていは、途中で目が覚める。
そして、設定した時間になると、小鳥の囀りが聞こえるという目覚まし時計だ。
私は小鳥の囀りを選んだけれど、他にもいくつか音があって、自分で好きな音を設定できる。
その音も、最初は小さくて、徐々に大きくなっていく。

今まで、いきなり音で起こされていた不快感はなんだったんだ! というくらい、光時計での目覚めは心地よい。
もっと早くから導入しておけばよかったと悔やまれるほど。
お値段もそんなに高くないし、普通にライトとしても使えるし、これはなかなか優れものなのではないかと思っている。

今日は朝から雨だ。
雨の日曜日。
ヨガは昨日のうちに行ってしまったし、新聞を読んだ後は、本を読んだりして、のんびりと時間を過ごす。
週末は一切、仕事をしない主義なので。

朝昼ごはんには、お粥を炊いた。
自分をリセットしたい時、私はよくお粥を炊いて食べる。
自分の胃袋にちょうどいいお米の量のコップやぐい飲みなんかを見つけておくと、炊きすぎることもなくいい塩梅の量のお粥ができる。
私は、ドイツで随分前に買った小さいショットグラスを使っている。
ショットグラス一杯分の白米に、水は同じコップで6杯。
これで、六部粥になる。

蓋をせず、最初は中火ぐらいで炊いて、お湯が沸いてお米が躍るようになったら一回だけ鍋底についたお米を剥がすようにスプーンなどでそっとかき混ぜ、隙間ができるように蓋をずらして被せ、弱火でコトコト、炊き上げる。
シンプルなのに、やけに滋養があって、体の中がスッキリする。

午後は、また読書をし、顔につけるクリームがそろそろなくなるのを思い出して、スキンクリームを作った。
作ると言っても、蜜蝋を溶かし、そこにオイル(今回はホホバオイルと伊豆大島産の椿油)を混ぜて、精油を垂らすだけ。
今日使った精油は、それぞれイランイランと、ラヴィンツァラ。
イランイランは神経のバランスを整え、抗鬱作用があり、ラヴィンツァラは、ウィルスや菌に強く、肝臓を保護し、安眠を招いてくれる。

もう一種類作ったのは主にかかと用のクリームで、これにはシアバターと椿油を使った。
冬になると特にかかとが乾燥して、それが長年の悩みの種だったのだけど、シアバターがいいと聞いて試しに塗ってみたら、一発で赤ちゃんみたいなふかふかのかかとが甦った。
以来、寝る前にこのクリームをセルフケアで足裏のマッサージをするのに使っている。

リップクリームにせよ石鹸にせよ、自分で作れば市販のものよりも驚くほど安く、しかもいい素材で自分好みの香りに仕上げることができる。

3時のおやつはカステラ。
お茶は、ほうじ茶を入れる。
なんだか、お茶を飲んでおやつを食べるばっかりの人生だ。

20代の頃から、私はほうじ茶を色々色々飲んできたけれど、今飲んでいる京都の森井ファームのほうじ茶が一番好きかもしれない。
農薬も化学肥料も除草剤も畜産堆肥も使っていなくて、ものすごーく誠実で実直な味がする。
いつか、生産者を訪ねてみたい。

雨が止まないので、今日はゆりねのお散歩にも行けそうにない。
夜は、自分で焼いた田舎パンとソーセージでも食べようかな。
野菜は、ぴぃちゃんが送ってくれたプチヴェールでも茹でて、オリーブオイルと塩でもかけて食べよう。
昨日開けた赤ワインもまだ残っているし。
こんなふうに、誰とも会わず静かに過ごす日曜日も悪くないなぁ、と思う。
一日中、雨に合うしっとりとしたピアノの曲を聞いて過ごした。

立て続けに作った石鹸が、ふたつ並べて置くと、まるで現代アートのようでなかなかカットすることができないでいる。