海へ

サクッと、海へ行ってきた。
お昼を持って海に行くつもりだと伝えたら、のんのんが焼きたてのキッシュと人参のラペを持たせてくれる。
のんのんの電動自転車を借りて、初の鎌倉サイクリング。
もちろんレンバイに立ち寄って、例のあれもゲットした。

若宮大路をひたすらまっすぐまっすぐ海へ向けて自転車を走らせる。
由比ヶ浜の駐輪場に自転車をとめ、砂浜へ。
気持ちいい。
ビーチサンダルを脱いで、裸足で歩く。

最近、旅に出る時、ゆりねのマットを持って行くようにしている。
ベルリン時代、レストランやカフェに入った時、ゆりねがその上で寝そべったりできるようにと買ったマットなのだけど、正直、あまり使うシーンがなかった。
いくらマットを敷いても、ゆりねはそこを避けて、床に直接ペタッと寝るのが好きだったので。
でも、防水だし、軽いし、くるくる丸めることができるので、ふと旅先に持って行ったら私が使えるかもしれないと閃いたのだ。
結果は大正解で、特に海に行く時は、このシートを広げるとちょうどよく一人分の座るスペースが確保できる。
他にも、枕になったり、椅子が冷たい時の座布団になったり、何かと重宝する。

もう一つの旅の必需品は日傘で、晴雨兼用の折り畳み傘だ。
直射日光に弱い私は、日傘が欠かせない。
特にビーチは影がないので、日傘をさして、自分で影を作るしかない。
この傘は、海外にもたくさん行っているし、日本でも多くの旅を共にしている。

ビーチには、まばらに人が来ていた。
春休み中の地元の子どもたちが、元気よく海辺を走り回っている。

海に近い所に場所を確保し、まずはランチを食べる。

最高だ。
太陽の下で食べるごはんは、健康的な味がする。

食べ物は十分あったのだけど、さっきレンバイに行ったら、やっぱりつい、はなさんの暖簾をくぐってしまった。
これが、今度の作品の大事な食べ物として登場する。

太巻き寿司なのだけど、ものすっごく、おいしい。
これが食べたいがために鎌倉に来ると言っても、過言ではないほど。
私は、この太巻き寿司に惚れている。

潮が引いて、海藻とりをしている人たちがちらほら。
この時期にしかとれないメカブが、ものすごくおいしいらしい。
あと、ワカメのしゃぶしゃぶも、春ならではのご馳走だ。
そういう旬の食べ物は、地元の人の口にしか食べられない。

ビーチサンダルを脱いで、海に入った。
ものすっごく気持ちいい。
水は、思ったほど冷たくない。
寄せては返すさざ波の、なんと柔らかいこと。

30分くらい、ぼーっと波に足を浸していたら、なんだか瞑想しているような気分になる。
一応、ビーチで読もうと思って文庫本とメガネを持ってきていたのだけど、文字は一文字も読む気にならず、ただひたすら波と戯れて時間を過ごした。

海を出て、午後は鎌倉在住の友人と待ち合わせて古我邸のカフェでお茶をする。
ここは、鎌倉の穴場中の穴場だと思う。
昔の洋館のお庭がカフェになっているのだが、この庭がとてもとても素敵なのだ。
桜も、ちょうど見頃だった。
至る所に、お花が咲き乱れている。

カフェからの帰り道、週末しかやっていないショップ(鎌倉には、こういう営業形態の店が結構ある)の窓辺に、こんな光景を発見した。

そうそう、こういうのが鎌倉なのだ。
鎌倉が、ますます好きになる。