ホームステイ中

世の中は、ゴールデンウィークなんですね。
私は、連休の前半、取材で山形へ行ってきた。
そして東京に戻ってからは、ひたすらひたすら原稿を書いている。

今週から、ぴーちゃんがわが家にホームステイ中だ。
ベルリンで出会った画家のぴーちゃんは、今、南フランスに住んでいる。
生のぴーちゃんに会えるのは、2年ぶり。
ぴーちゃんが日本にいるというだけで、私はなんだかすごく嬉しい。
お揃いのパジャマ(腹巻きがついたマタニティー用のスパッツ)を履いて、同じ格好で家の中をウロウロしてたり、一緒に洗濯物を畳んだり、そんな時間が無性に愛おしく感じてしまう。
ベルリンでも何度か預かってもらったので、ゆりねは毎晩ぴーちゃんの腕枕で寝て、明け方になると、決まって私の布団に入ってくる。

今日は、ぴーちゃんの友人でもあるアーティストの束芋さんの新作舞台、『もつれる水滴』を見に行った。
池袋って、なんであんなに複雑なのか。
毎回、迷子になる。
今日も、東京芸術劇場へ行くつもりが、同じ西口にある池袋演芸場に着いてしまい、ワッ、落語やん! と焦ってしまった。
無事にギリギリ間に合って事なきを得たけど。
渋谷とか新宿とか池袋は、極力避けたいエリアだ。

この舞台は、束芋さんがアートデザインを担当し、コンテンポラリーサーカスをするフランス人のヨルグ・ミュラーさんが舞台上で踊りを披露するというもの。
日本とフランスの共同制作で、会場は満席御礼だった。

ものすっごく、よかった。
よく考えると、久しぶりの舞台だ。
一枚の布が生き物のように宙を舞ったり、束芋さんによるアニメーションの舞台演出とヨルグさんの生身の体のコラボレーションが、幻想的で美しく、誰かの夢の中を歩いている気分だった。

束芋さんの作品が、とにかくすごい。
彼女には、2回ほどベルリンでお会いしているけれど、普段は普通の女の子って感じなのになぁ。
でも知らないところで黙々と力をため、進化しているのを痛感した。
コロナの影響で、ちゃんと開催できるかどうか不安だったと思う。
久々にアートに触れ、ベルリンにいる時の感覚を思い出した。
やっぱり、こういう時間って必要だと実感した。

今週は、ぴーちゃんのお友達が、続々と我が家にやって来る。
私はせっせと料理作り。
昨日は、料理研究家のminokamoさんがいらして、山形からの山菜料理でおもてなし。
デザートをおねだりしたら、器まで持ってきてくださって、素敵な杏仁豆腐をご馳走してくださった。
こういう華やかな料理、私には絶対に作れない。

明日は、束芋さんをお招きしてスキヤキの宴の予定だし、明後日も、明明後日も、それぞれお客様。
なんだか、コロナですっかり出不精になり、自分が出かけるより、こっちに来てもらって手料理を振る舞う方が楽になってきた。
お客様がいらっしゃると、何を作ろうかとか色々考えるのが楽しいし、最近目にした新たなレシピを試してみたりすることもできる。
お土産をいただけるのも、密かに嬉しい。

私は、冷蔵庫にたくさんのビールやワインを冷やして待っている。