エルダーフラワーシロップ

エルダーフラワーの花が咲いた。
確か、3年前にちっちゃい苗を植えたのだ。
去年は咲かなかったから、今年、初めて花を咲かせたことになる。
白くて小さな小花がふわりふわりと泡のように咲いている姿は、本当に健気でかわいらしい。

さっそく、エルダーフラワーのシロップを作った。
レモンとエルダーフラワーの花を瓶に入れ、そこに熱々のまま砂糖液を注ぐだけ。
一晩おいて、完成した。

私はずっと、エルダーフラワーに憧れを抱いていた。
初めて知ったのは、ベルリンに行きだした頃。
ゲイの人たちが営む素敵なオーストリア料理の店で、彼らが摘んで手作りしたというエルダーフラワーのジュースをいただいたのだ。
ヨーロッパには、日本のアジサイみたいな感じで、エルダーフラワーがどこにでもたくさんある。
いいなぁ、いつか私も、エルダーフラワーを摘んで、それでシロップを作りたい、と淡い夢を抱いていた。

ノラコヤのお庭で、それがようやく現実になった。
実は、エルダーフラワー愛が強くて、ノラコヤには結構な数のエルダーフラワーが植えてある。
エルダーフラワーはものすごく成長が早く、あっという間に大きくなった。
インフルエンザや花粉症にもとても効くというので、シロップにしない花は、乾燥させてお茶にするつもりだ。
一度に咲くわけではないから、ちょくちょく見に行っては、そのたびに花を摘んで、少量ずつシロップにする。

今、野良仕事がものすごく忙しいのだ。
今日も、朝5時前からオハナと散歩して、ゆりねとオハナにご飯をあげ、6時前には山小屋を出て、ノラコヤへ。
6時半から9時半まで3時間びっしり働き、暑くなる前に切り上げ、途中温泉に寄って汗を流し、野菜を買って山小屋に戻った。

エルダーフラワーだけでなく、ジャーマンカモミールもわんさか咲いているし、ドクダミも咲き始めたし、草むしり以外にも、花や葉っぱを摘み取る作業があって、もう本当に時間が足りない。
でも、今日とっておかなかったら、明日には枯れてしまうかもしれないので、自分の都合でパスするわけにはいかないのだ。
ジャーマンカモミールとドクダミは、それぞれ花の部分を日本酒につけて、化粧水として使う。

ジャーマンカモミールは、去年の秋、種を蒔いたものがスクスク育った。
種を蒔いて冬ごしするのと、春に苗を植えるのと、両方やってみたのだが、どうやら種から育てた方が元気がいい。
冬の間も、そこに緑があって励まされたし。
ジャーマンカモミールもまた、エルダーフラワー同様、とても優れた薬効がある。

今、庭では花が咲き乱れている。
7月になると暑くて植物たちもバテてしまうから、花を楽しめるのも、あとひと月ほど。
ノラコヤの庭で咲いた花を摘んできて山小屋に飾ると、どこでもドアみたいに、そこから自分の庭に行けそうな気がする。

去年植えた宿根草たちが、次々と芽を出し、花を咲かせてくれる。
もういなくなってしまったかと、半分諦めていた時期もあったのに。
みんなと再会できて、本当に本当に嬉しい。
ゆりねやオハナに対するのと同じ熱量で、私は庭の植物たちを心から愛している。