静かな静かな日曜日

昨日は、コナラの木に椎茸とナメコの菌を打ち込んで、ホダ木を作った。
この作業を、植菌という。
ホダ木用のコナラは、ホームセンターで買うと一本千円くらいするのに、森林組合に行けばその3分の1くらいのお値段で購入可能だ。

まずは、コナラの木に専用のドリルで穴を開け、そこに小指の先ほどの菌をトンカチで打ち込んでいく。
自分がひとりで持ち運べるくらいの重さのコナラを選んだので、太さとしては細い方のコナラに、一本につき33個ほどの種菌を打つ。
椎茸は、コルク状の内樹皮に原基(キノコの元になるもの)を作り、外樹皮を突き破って発生する。だから、原木となるコナラの木は、外樹皮は薄くて内樹皮の厚いものが適している。

これを、地面の上で仮伏せする。
まずは段ボールを敷いて、その上にホダ木を並べ、更に上からビニールで覆う。
この時、雑菌が入らないようにしないといけないので、椎茸チームとナメコチームにそれぞれホダ木を分けて仮伏せする。
仮伏せは、一年ほど。
途中、梅雨の時期に天地返しを行う。

その後、排水が良くて十分雨が当たり、しかも直射日光が当たらない適度に明るい場所に本伏せし、子実体(キノコ)の発生を待つ。
細いホダ木で2年、基本的には3年かけてキノコが顔を出す計画だ。

ナメコの場合は、途中から本伏せのやり方が変わり、ホダ木を3分の1ほど地中に埋める。
さて、3年後、私は椎茸さんナメコさんと会えるのか?

今日は、とても静かな日曜日だった。
いつも通り新聞に目を通してから、YouTube見ながらヨガをして、朝昼ごはんにめかぶ納豆かけご飯を食べ、その後は恒例のお庭仕事。
私、完全にお庭中毒だ。
草むしりをやっているうちにどんどん夢中になって、もうそろそろ終わらなきゃいけない時間になっても、見るとつい手が伸びて、なかなか玄関まで辿り着けない。
草むしりをしていれば、幸せなのだ。

きっと、母もこういう心境だったのだと思う。
地面に向き合っている間は、仕事のことや家庭のこと、いろんな煩わしい雑事を忘れることができたのだろう。
日が暮れてからも庭仕事に精を出す母の姿を、私は怪訝な気持ちで見ていたけれど、今の私はまさにあの頃の母と同じなのだ。
チャンスがあれば森に飛び出したいような、そういう気分。

マッサージと同じで、草むしりも、動かしていない方の手が大事なんじゃないかと思う。
たとえば、右手で草を抜いている時は、左手をペタリと地面につける。
そうやって、私は大地の声を聞いているのかもしれない。
今日は、草むしりをしなが、緑の指が母から受け継がれているといいな、と思った。

庭仕事をした日は、ぐっすりと眠れるからいい。