生命力
たった四日間ノラコヤを留守にしただけなのに、植物たちがいきなり大きくなっていてびっくりした。
ものすごい生命力。
先日植えたばかりのサヤエンドウには花が咲き、小さな赤ちゃん豆ができている。
イチゴもマルベリー(桑)もフサスグリもかわいい実をつけている。
この間やっと冬が終わって春が来たと思っていたら、もう季節は初夏。
あと一月ほどで夏至を迎えたら、もう今度は冬に向かって進んでいく。
地球は、ものすごい速さで太陽の周りを公転しているのだ。
札幌の定山渓でのイベントは、最高だった。
よく考えたら、私にとっての温泉と読書は、すごく似ている。
どちらも、自分を空っぽにして、日常を忘れ、別の世界へ旅をする行為だ。
参加してくださった方の中には、イベント前にもうお風呂に入られた方もいて、そのリラックスした雰囲気がすごくいいと思った。
お集まりくださった皆さま、本当にありがとうございました!!!
初の試みだった静かなサイン会も、どうなることやらとドキドキだったけど、私的には大成功。
以前から、楽しい、もっと違う形でのサイン会ができないものかと思っていたので、今回はその記念すべき第一歩となった。
これからも、ちょっと趣向を凝らした面白いサイン会をしていけたらと思っている。
私が北海道へ行っている間、海と空はノラコヤで、ゆりねはホテルでそれぞれお留守番。
またみんながノラコヤに勢揃いして、幸せな日々を満喫している。
面白いのだが、最近ゆりねが草を食べるようになった。
散歩の途中、草を見るとパクッと口に入れてしまう。
海と空を見ていて、学んだのだろうか。
自分も食べられらると思ったのだろうか。
ただ、メェたちはちゃんと自分が食べられる草とそうでない草を嗅ぎ分ける能力があるが、ゆりねの場合は闇雲に口に入れてしまうので目が離せない。
自分も、ヤギだと認識するようになったのだろうか。謎である。
海と空は、今日も大きな栗の木の下でハミハミタイムを満喫した。
ご近所さんが、彼らの姿を目にするたび、大きくなりましたね、と口を揃える。
私は、毎日目にしているからわからないのだけど。
中には、来た時から較べて倍くらいになったとおっしゃる方もいて、いやいやそんなことは、と思うのだが、確かに彼らはノラコヤに来てから本当によく食べているので、体格は良くなった。
特に、空の方はオスということもあるのか、力が強くて、私の力ではなかなかコントロールが効かなくなってきた。
食べたい草があると、完全に脚を曲げてしまい、正座するみたいに地面に座り込んで動かない。
海も空も、だんだん我が強くなってきて、悪ガキならぬ悪ヤギになりつつある。
海は、なぜか夕方になると、ゴハン入れに使っているオカマをひっくり返して遊ぶので、そのたびに顔が煤で黒くなる。
この子たち、本当に実家に帰ってしまうのかな?
となると、ノラコヤでこんなふうに一緒に時を過ごせるのは、あと一週間ちょっとしかない。
メェたちのいる暮らしに、すっかり慣れてしまったから、いなくなったら、ものすごーく寂しくなってしまう。
今日は、夕方、蚊取り線香を焚きながら2階のベランダでビールを飲んだ。
向こうに本当にうっすらと、富士山が見える。
蚊取り線香の香りを嗅ぐと、夏だなぁ、と実感する。
最近、生きている時間そのものが愛おしくてたまらない。