原作者として
作家の山内マリコさんと柚木麻子さんが、「原作者として、 映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます」と題した声明文を発表した。
私もこれに、同業者として賛同している。
お二人が書かれた声明文にもあるように、自分の作品が映画化、映像化されるということは間間あることではある。
けれど、その制作に関して、大きく関与するかと言ったら、私の場合、そんなことはない。
一応、脚本は送られてくるけれど。
キャスティングに関しても、別に何も言わないし。
基本、映画は映画監督の作品だと割り切っているので、私は傍観者という立ち位置でいることの方が圧倒的に多い。
でも、その映画監督が、自らの立場を利用して、性暴力、性加害をしているとしたら、私は果たして、全く無関係と言って傍観者のままいていいのだろうか。
最近、勇気を振り絞って、性暴力、性加害の実態を告発している人たちがいる。
同意なく、単なる力で相手の体をねじ伏せよう、手に入れよう、欲望を満たそうとするのは、本当に卑劣で情けなく、最低の行為だ。
今回、山内マリコさんと柚木麻子さんが、声明文を出してくださった。
もしお二人が素早く行動に移してくれなかったら、私は傍観者のままでい続けただけ。
若いふたりが声を上げてくださったことに、心からの拍手を送りたい。
性に関わることは、それが密室で行われるだけになかなか公にされないけれど、それを許してしまったら、ただただこれからも被害者が増えるだけ。
だから、勇気を出して告発することは、本当に素晴らしいことだと思う。
そういう人に冷たい目を向ける社会であってはいけないし、誰もが気持ちよく生きていける世の中になるため、私たちはまだまだ、発展途上にあると思う。
こういうことに対しての、男女での感覚の違いというのも、是正していかないといけないんじゃないかな?
男性と女性とで、一概には言えないけれど、まだまだ男性側の認識の甘さというのは、あるような気がしてならない。
特に性に関しては、相手が嫌だと感じることは、すべてNGなのだということを、声を大にして言いたい。
もし、好意を抱く相手がいるなら、正々堂々、自分の魅力で勝負してほしいし、それができないなら、然るべき場所で、きちんとお金を払って性欲を満たして欲しい。
害を加える側は、ほんの一時の軽い冗談のつもりでも、害を受けた側は、深く傷つき、長く苦しむことになる。
場合によっては、それまで歩んできた人生を、木っ端微塵に壊されてしまうかもしれない。
どうかそのことを、忘れないでいてほしい。
少しでも、この世の中が、みんなにとって生きやすい社会となりますように!!!