初雪の朝

昨日の夜から雪が舞い始め、朝、森の落ち葉に初雪が積もっていた。
久しぶりに味わう初雪の朝。
懐かしい。
子どもの頃、この日がものすごく楽しみだった。

昨日東京から森に戻って、いきなりの雪でびっくりだ。
スタッドレスタイヤにしておいてよかった。
それにしても、まだ10月なのに。
もしかすると、この冬もまた、雪が多くて寒いのかもしれない。

雪景色は、ものすごく美しい。
前回山小屋を去る数週間前、まだ木の枝に残っていた葉っぱ達が、潔く地面に落ちている。
その上に、真っ白な雪がふんわりと覆い重なって、この景色を自分だけの目で楽しむのは、申し訳ないようなもったいないような。
雪景色を、心ゆくまで堪能した。

気温は0度ほどで寒いはずなのだけど、それよりも初雪が降ったことに興奮してしまい、寒さはあまり感じなかった。
朝から薪ストーブを本格的に稼働させ、さっそく、薪棚から薪を運んだりと、やることがたくさんある。
これから、もっともっと仕事は増えるはず。
でも、本来の人間の体の動かし方に戻ったようで、なぜか悲壮感はない。
むしろ、楽しい。

夕方、温泉から帰ってきたら、うっすら雪化粧をした山に夕陽が当たり、それはそれは美しかった。
ふだんそういうことは滅多にしないのだけど、車を停めて、写真を撮る。
一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなった。
この姿に出会えただけでも、今回、森に帰った甲斐があったと思う。

それにしても、森の庭に植えていた植物は、無花果も藍も、見事に鹿に食べられている。
食べられずに残っているのは、ミントやローズマリーなど、香りの強いハーブだけ。
やっぱり来年は、本腰を入れて鹿対策をこうじなくては。
ゆりねは、野生動物の匂いがするのか、相変わらず散歩に出ても、すぐに山小屋に引き返そうとする。

また、これまで以上に静かな森暮らしが始まった。