『喋々喃々』

前作『食堂かたつむり』の刊行から、ほぼ一年が経ちました。
思いがけず、本当に多くの方に本を読んでいただけたこと、心から嬉しく思っております。

この一年間でたくさんの方とのご縁ができ、素敵な出会いも数多くありました。
私の生活も大きく変わり、「書く」ことが暮らしの柱になりました。
慌ただしく時間が過ぎていくこともありましたが、その中で生まれた作品が、『喋々喃々』です。
約一年を通して、「asta*」に連載させていただきました。

もちろん、デビュー作の反響が大きかっただけに、第2作へのプレッシャーが全くないかというと、そんなことはありません。
本当は、足がすくみそうなほど、怖くなることもありました。
ただ、ベストは尽くせたのではないかと思います。

今回もまた、完成するまでに、多くの方々のお力を貸していただきました。

まずは、作中に登場してくださった谷中界隈のお店の方々に、心からお礼を申し上げます。
谷根千エリアに残る空気の美しさや人の優しさをどうにかして言葉で表現したい、そんな思いを胸に書かせていただきました。
少しでも、現実の町の雰囲気に近付いていることができましたら、幸いです。

また、『食堂かたつむり』に引き続き、今回も作品に美しい衣装を着せてくださった、装丁の大久保伸子さん。
素敵な切り紙をたくさん作ってくださった、切り紙作家の矢口加奈子さん。
「asta*」での連載時に、毎回しっとりと美しいイラストを描いてくださった、松尾ミユキさん。
本当に、ありがとうございます。

校正者さん、印刷や製本に携わってくださった方々にも、心から感謝申し上げます。

そして、『喋々喃々』もまた、ポプラ社の吉田元子さんにお世話になりました。
吉田さんは、私にはもったいないくらいの、素晴らしい編集者です。
私は、吉田さんと二人三脚で作品を生み出せることを、本当に有り難く思っております。
イキの合う編集者と巡り逢えた私は、作家として、本当に幸せ者です。

アミューズの大川弘美さんにも、たいへんお世話になりました。
私が書くことに集中できるよう、スケジュールの管理など、私がもっとも苦手する分野を、手際よく仕切ってくださり、本当に感謝しております。

ポプラ社、アミューズのみなさま、本当にありがとうございました。
この作品に関わってくださったすべての皆様に、心から感謝申し上げます。

そして、縁あって、この本を手にしてくださる読者の皆様、本当に本当にありがとうございます。
この作品が、ほんの少しでも心の糧となることができましたら、作者として、そんなに嬉しい事はありません。

また、次の作品でお会いできる日まで。

小川糸