朝のひかり

夜更かしをして少し朝寝坊して起きたら、部屋いっぱいに朝のひかりが満ちていた。
季節が、スイッチを切り替えるように、はっきりと冬になったのを感じる。
最近は、気持ちのいい秋と春の時間が短くなって、寒い「秋冬」か暑い「春夏」のどちらかに大別される。
それでいうと、季節は昨日から冬。
今日なんか、わたしは寒くてセーターを着ている。

衣替えだ。
室内履きはブーツになり、ぼちぼち毛糸のパンツの出番である。
帽子も、夏用から冬用に入れ替え、布団も綿布団とカシミアの毛布の二枚重ねになった。
これから寒くなるにつれて布団の枚数を増やしていき、一番寒い時期で、わたしは四枚のお布団やら毛布やらをミルフィーユ仕立てにして冬を乗り切る。
寒くなると、ゆりねが布団の中に入ってくるので、湯たんぽ代わりになるのも嬉しい。
夏が終わって、わたしは俄然、ウキウキしてきた。

思い出すのは、ベルリンの晩秋だ。
黄色く色づく街路樹から、一枚、また一枚と葉っぱが落ちて、完全に裸木になる頃、冬至がやってくる。
確かに寒くて暗いのだけど、ワクワクしながら太陽が昇るのを待って、目一杯おひさまの光を浴びる。
夜が長くなるから、夕方からホットワインを飲んだりして。
今年の冬は、きっとクリスマスマーケットもいつもの姿に戻るのかもしれない。
長い冬をなんとか乗り切るため、家に蝋燭を灯して部屋を明るくしたり、赤などの明るい色の服を着て気持ちを明るくしたり、クリスマスで楽しい時間を味わったり、冬には冬の喜びがある。

それからすると、ピカピカの青空が続く東京の冬は、なんだか物足りない。
年に一回、全てのものがきちんと死ぬ、そして再び再生するベルリンの冬の方が、わたしにはしっくりくる。
一回、ちゃんと死んで、そこから復活を果たしてこそ、メリハリができていいような気がするのだ。
あぁ、なんだかベルリンの冬が恋しくなってきた。

秋は、手作りの季節でもある。
石鹸はおよそ半年から一年は困らない量を作ったので、次は味噌作りだ。
石鹸作りも味噌作りも、どこか似ている。
作るのは簡単だし、あとは寝かせておくだけ。
その日の天候が出来に大きく作用するし、同じ材料で同じ手順で作っても、毎回、違う顔になるのも面白いところ。

今日は、大阪屋さんから生の麹が届いた。
ようやくいい生麹に出会えてホッとしている。

そしてそして、いよいよ始まりますね、選挙。
とにかく、投票しましょう!!!

投票しないということは、自分たちの暮らしを丸投げするということ。
投票率が低いというのは本当に本当に恥ずべき事実で、だって入れる政党がないんだもん、なんてのうのうと棄権している場合ではない。
政治に文句を言うなら、まずは一票を投じてからだ。

小学生の時の担任の先生の話で、印象に残っているものがある。
ある村でお祭りがあるので、村人は一人一合のお酒を出すことになった。
けれど、蓋を開けてみると、集まったのはお酒ではなく水だった。
自分くらい水を持っていってもバレないだろうとみんなが考えた結果、水になってしまったのである。

詳細は違うかもしれないけれど、大筋はこんな話だった。

確かに、全体から見たら一人の一票は些細な力に過ぎないかもしれない。
けれど、それが集積して、全体を動かす力になる。
どうせ自分が投票しようがしまいが結果は同じ、なんてわかったような顔をして投票しないのは、愚かな行為だとわたしは思う。
もし、今のままでいいと思うなら与党に入れればいいし、そうじゃないと思うなら別の党に入れればいいし、とにかく、話は一票を投じてから。
投票率は、民度に直結している。

おすすめは、期日前投票だ。
当日雨で行けなかったとか、急な用事ができて行けなかったなどという不測の事態が起きても一票を無駄にしなくて済むよう、その前に済ませておく。
期日前の方が並ばなくていいし、場所も当日の投票所よりも近いので、わたしは断然、期日前投票派だ。
それに、投票日までに自分が死んでしまうことだってありえるので、事前に投票をしておけば、一票を無駄にすることがなく、悔いも残らない。

なんとなく、最近の傾向として、まるで政治家が国民のために自分のポケットマネーを恵んでくれているみたいな顔をして威張っているけれど、もともとわたし達国民が汗水垂らして稼いだお金を戻してもらっているだけで、政治家の雇用主はわたし達だ。
政治家の不祥事が明るみに出るたび、なんでこんな人が国会議員になんかなれたんだろう、と不思議に思うけれど、誰かが票を入れた結果でそうなっている。
そのことを肝に銘じて、誰に、どの党に投票するかを吟味する必要がある。

日本の、特に若い人たちは、主権者意識が乏しいと言われている。
投票をしたって、どうせ変わらないという諦めムードになっているけれど、そういう気持ちにさせられてしまっているのも政治のせいだし(教育)、投票をしなければ変えることはできない。
だから、とにかく何がなんでも、一票を投じましょう!
全ては、そこから始まりますから。

今は、ちょっと古くなったパンでラスクを作っているところ。

これにメープルシロップを塗って再度オーブンで焼けば、おいしいラスクになる。

追記。
期日前投票は、公示日の翌日から選挙の日の前日まで可能となっている。
と言うことは、本来なら明日から期日前投票が可能なはずだけれど、まだ必要な書類が手元に届いていない。
今回、異例の速さで選挙を行うためだ。
そして、選挙日はハロウィンで、それどころではないという人も多いかもしれない。
だから尚更、選挙に行ってほしい。
在外投票も、どうなるのだろう?
間に合うのか、わたしはものすごーく心配している。

「若者の投票率が低いのは悪いことじゃねぇ。つまり、それだけ満足してるってことじゃねぇかな」と発言したのはどこの誰だっけ?