山菜ノート
出羽屋さんから、山の宅配便が届いた。
段ボールの中に、山菜がぎっしり詰まっている。
春だなぁ。
ひとつひとつ新聞紙に包んであって、なんだか実家から送られてきたみたいで嬉しくなる。
青コゴミは、ゆがいて、ごま和えに。
赤コゴミは、ゆがいてから細かく切って、胡桃と共に白和にする。
味付けは、オリーブオイル、醤油、ゆず酢。
コゴミの正式名は、「クサソテツ」。
そういえば、以前西表島に行ったとき、ジャングルに、巨大なコゴミみたいな植物がニョキニョキ生えていたっけ。
ソテツと聞いて納得する。
ゆがくと滑りが出て、ちょっと土っぽい味がするのが特徴だ。
βカロテンとビタミンEが豊富で、免疫力を高めてくれるというから、コロナ対策にもきっといいはず。
山うどは、一本を三通りの食べ方でいただく。
まず、チクチクとした毛が生えた皮は、細く切ってきんぴらに。
芽の部分は、天ぷら。
中のところは、透明になるまでよーくゆがいて胡桃味噌で和える。
ツキノワグマやカモシカの好物だそうだ。
どほいなは、今回初めて知った山菜。
鮮度が命とのこと。
葉っぱは天ぷらにするといいらしいので、千切りにして、石垣島のもずくと合わせてかき揚げにしよう。
茎の部分は、中が空洞になっていて、香りが強いから、お浸しに。
昨日の夜から出汁につけてある。
花ワサビは、一分くらい茹でてから、刻んで醤油と味醂につけていただく。
タラの芽とコシアブラは、もちろん天ぷらで!
ウコギは、軽くゆがいてからキュッと絞って、ご飯に混ぜ、ウコギご飯に。
今夜は、おにぎりにしておこう。
しどけは、正式名称、モミジガサ。
葉っぱがモミジの形をしているのだけど、毒草のトリカブトと少し似ているから要注意だ。
ほろ苦い味わいが特徴だというけど、おひたしがいいのか、それとも卵と炒めるのがいいのか、悩ましいところ。
その場の雰囲気で決めよう。
他に、カタクリの花も入っていた。
おひたしにするといいらしけど、下剤になるほどの強い山菜なので、今回は鑑賞用として花瓶に活ける。
俯く姿が、可愛らしい。
行者にんにくは、オリーブオイルで炒めてから、ボロネーゼのソースに混ぜてパスタにしたら最高に美味しかった。
今夜のお客様は、オカズ夫妻+黒豆(犬)。
わたしの料理を、いちばん多く食べてくれているゲストだ。
この一年、外食の回数が減った分、こんなふうにお客様を呼んで家で食べる機会が増えた。
家だったら、お酒も飲めるしね。
素敵な夜になりそうな予感がする。
黒豆は相変わらず、ゆりねのお尻を追いかけ回していた。