同世代
丑年生まれのわたしは、今年が年女だ。
そして、今7歳のゆりねは、人間の年齢に当てはめると、年齢かける7なので、わたしとほぼ同世代になる。ということに、最近気づいてハッとした。
お互いに中年で、すでに人生の折り返し地点を過ぎているではないか。
近頃のゆりねは、めっぽう甘え上手になった。
すぐに、抱っこ〜、とせがんでくる。
子犬の頃は、こちらが抱っこしたくても、すぐに逃げてしまっていたのに。
今では、わたしのこと、居心地のいい座布団だと思っているみたい。
7歳になったくらいから、意思疎通ができていると感じる場面がやけに増えた。
コロナのステイホームで、今まで以上にいっしょにいる時間が長くなったというのもあるかもしれないけど、それよりはゆりねが歳を重ねたことで、お互いに相手を理解する能力が高くなってきているように感じている。
家に来たばかりの頃は、それこそ、ゆりねが何を求めているのかも全然わからなかった。
でも今は、表情や仕草、行動パターンで、いくつかのメッセージを確実に受け取れるようになった。
お腹すいた! ご飯ちょうだい、眠いから今はちょっかい出さないでね、トイレに行きたいんですけど、遊ぼう!そろそろお散歩に行きませんか? 抱っこして〜 大好きだよ! 痒いから背中かいてくれる?
そういうことを、体全部を使って伝えてくる。
言葉そのものは、「おやつ」「おいしい」「ワンちゃん」「おとうさん」以外ほとんど通じないけれど、ゆりねはゆりねでこちらの言うことを一生懸命理解しようとしているし、わたしも、ゆりねが今何を求めているのか、だいぶ察しがつくようになった。
そうなってくると、ますます愛情が深まってくる。
くぷぅ、くぷぅ、と以前はかかなかったいびきをかきながら無防備な姿で寝ているのを見ていると、愛おしくて愛おしくてもう本当にたまらない気分になるのだ。
少しでも長生きしてね、と、毎回、祈るような気持ちになる。
先日、わたしよりちょうどひとまわり上の友人と電話で話していたときのこと。
「わたしなんてさぁ、ついこの間小学校卒業したばっかり、って感じだよ!」
彼女が言った。
確かに自分の人生を振り返っても、成人式どころか、小学校の入学式ですら、「ついこの間」みたいな感覚になる。
そのことを踏まえると、この先ゆりねといっしょに過ごせる時間も限られているのだなぁ。
一日一日が、ゆりねからの貴重な贈り物だということを、噛みしめながら生きていきたい。
ゆりねは人生の前半たくさんわたしに付き合ってくれたから、後半はわたしがゆりねの人生に寄り添いたい。
そう思う今日この頃だ。
甘えん坊のゆりねは、今もわたしの太ももの上でまどろんでいる。
態度がだんだん「おばさん」ぽくなってきて、それがまたかわいい。
寒い日は、特にゆりねの温もりがありがたくなる。