お粥さん

大晦日の朝、お粥を炊く。
ちょうど、土鍋にヒビが入っていたので、その修復も兼ねて、コトコト。
お粥を炊いている時の、ほんのりと甘い香りがたまらない。
お米と水の量は、1対6。
ほんのちょっとのお米で、しっかりとした量のお粥になる。
おかずには、昨日作った牛ごぼうと、蓮根のきんぴら、キムチ、ひきわり納豆を。
今年作ったおかずは、なるべく今年のうちに食べてしまいたい。

お粥を炊きながら、来年早々に出る『針と糸』の文庫の再校ゲラをチェックする。
今年はちょうど金曜日まで年末なので、わたしの仕事納めは31日。
土日だけ休んで、年が明けた3日から、仕事を始める予定だ。
そう、びゅんびゅん飛ばしている。
楽しいので。

『針と糸』を読み返しながら、色々あったなぁとしみじみ振り返った。
そりゃ、半世紀近く生きていれば、色々あって当然だ。
わたしは、車の運転も、舗装された道路よりオフロードの方が好きだったりする。
山の中のぐにゃぐにゃ道とか、他に車がいなければ、最高に楽しい。

仕事机と台所を行ったり来たりしながら、おせちを作る。
やっぱり、おせちを作らないと年が越せない。
5色なます、伊達巻、黒豆のほか、ごまめ、酢蛸、かずのこ、などなど。
ちょこちょこっと、嫌にならない程度に作った。
なますも伊達巻もごまめも、どうも出来がいまひとつだが、仕方がない。

それにしても、いつになったらかまぼこが、ビシッと真っ直ぐ切れるようになるのかな?
一本を半分にし、更に半分にして、それを更に半分にして8本に切るのだが、厚さも微妙に違うし、線も曲がっている。
相当集中して切らないと、かまぼこは美しくならない。

台所仕事が全部終わってから、最後の掃除。
とにかく、窓ガラスが曇っていると気分が悪いので、古新聞を使って窓拭きをする。
キュッキュッキュ、と音がするのが気持ちいい。

台所の掃除して、お正月道具を出して、ゆりねの散歩に行って、今、やっとお茶で一服。
檜原村の紅茶と、ぴーちゃんがベルリンから送ってくれたマジパンと、干し杏。

これからお風呂に行って一年分の疲れを癒し、夜は鶏鍋だ。
年越し蕎麦を食べて、今年も一年が終了する。
早いなぁ。つい一ヶ月くらい前に、去年の大晦日を過ごした気がしてしまうのだけど。

みなさま、今年もお疲れ様でした。
どうぞ、よいお年をお迎えくださいませ!