春になったら、海に行こう

朝、鳥の声で目を覚ました。
いつもの、光時計から聞こえる録音された鳥の声ではなく、本物の鳥の囀り。
ある時間を境に、一斉に鳥たちが喋り始める。
まるでその声が、木々の梢からシャワーのように降ってくるのだ。
鳥の声で目を覚ますのって、なんて幸せなんだろう。

沖縄に行ってきた。
先月は石垣島だったけど、今回は本島へ。
どうしても、八重山に行く機会が多くて、実は本島って、ちゃんと見て回ったことがない。
ほとんど初めてと言っても、過言ではないくらい。
しかも、取材の仕事で、私は編集者を助手席に乗せて、運転するという初の試み。
ついでに言うと、写真も自分で撮らなくてはいけないという、なかなか盛りだくさんの旅だった。

鳥の声で目を覚ました私は、そのまま水着に着替えて、車を運転して海に行った。
自分で運転できると、こういうことが可能になる。
目指すは、ヤハラヅカサ。
ここは、ニライカナイから久高島にやってきた琉球の創世神であるアマミキヨが、沖縄本島で最初に降り立ったとされる海岸。
近くには祈りの場である浜川御嶽もあり、アマミキヨが仮住まいをした場所と言われている。
ヤハラヅカサは、女性のための浜とのこと。

細い道の先に、海が見えた。
朝の海って、本当に素敵だ。

最初にお祈りをし、それからゆっくり、海の方へと一歩ずつ近づく。

海には、ポツンと石碑が建っていて、満潮になると海水に沈み、干潮になると姿を現す。
同じ場所に、香炉もある。
ここは、とてもとても神聖な場所なのだ。

水は、それほど冷たくはなく、ちょっとずつ体を慣らしながら、最後は肩までしっかり入って軽く泳いだ。
気持ちよくて、いつまででも入っていたくなる。
海から見る森の景色も最高だった。

海で朝の沐浴をしながら、地球に生まれた幸せを噛みしめた。

ニライカナイは、海の向こうにあると信じられている理想郷。とても美しく、素晴らしい世界だ。
二日連続で、この海に入れたことに、心からの感謝を!
ありがとうございました。

能登といい鎌倉といい石垣といい沖縄といい、最近の私は海に呼ばれている。
海に浄化してもらい、エネルギーをたっくさんもらって帰ってきた。
これからは毎年、春になったら、海に行こう。