白と緑の饗宴

最近にわかに「料理脳」が活発化している。
火をつけたのは、山椒鍋だ。

とにかく、本当に本当においしかったのだ。
初めて作ったから手探りではあったものの、味はイメージ通りというか、想像をはるかに超えて美味だった。まさに、美しい味。

味だけでなく、目で「愛でる」喜びが大きいのも、山椒鍋の特徴で、材料は、白と緑のものにそろえるというのも洒落ている。
豆腐の白と山椒の緑、うどの白とよもぎ麩の緑、といった具合に、鍋の中で常に白と緑が同居して、それはそれはハッとする美しさだった。

わたしの場合、鍋といっても一気にぐつぐつ煮ることはなく、たいていは2、3種類の具だけを選んで火を通し、少しずつ順番にゆっくり食べる。

最初は昆布出汁と鶏団子からのシンプルな旨味を味わい、そこからじょじょに様々な味が重なって、だんだんと甘みも出て味がまろやかになり、最後は驚くほど芳醇なスープになった。
友人は、ポン酢で食べるようにと教えてくれたけれど、スープだけでちょっとずつ味わう方が、素材の旨味をそのまま堪能できる気がした。
そして、筍とかうどとか、香りの強いものと山椒を合わせることが、この山椒鍋の醍醐味だと思った。

なんだか、食べた後にすっかり体が浄化された。
山椒には、デトックスの効果があるらしいので、冬の間に体にたまった毒素を外に出し、体を中から清めるという意味でも、この季節に食べるのは理にかなっているのかもしれない。

日曜日の朝は、そら豆ご飯を炊いた。
ペンギンが、学校給食用に栽培されたというそら豆を大量に買ってきたので。

そら豆を投入するタイミングは、ご飯を炊いていて、火を強火から弱火に変える時。
一瞬だけパッとふたをあけて、そら豆を入れ、火を通す。
最初から入れてしまうと、そら豆に火が入りすぎてそら豆がぐにゅっとなってしまう。
そら豆ご飯は、この季節によくベルリンで作っていたっけ。

そして昨日は、北海道から届いたアスパラガスを料理する。
アスパラガス、大好きなのだ。
ヨーロッパでは、ホワイトアスパラガスが春の到来を告げる。
むっちむちの、太ももみたいなホワイトアスパラガスを柔らかく茹でて、そこに薄切りのハムをのせて食べるのが、わたしにとってのいちばんのご馳走だった。
去年の今頃も、そんなふうにしてホワイトアスパラガスをもりもり食べていた。
でも今年は、日本にいる。
そして、日本ではグリーンアスパラガスの方が主流だ。

アスパラガスは卵と相性がいいので、昨日は、ポーチドエッグを添えて食べることにした。
フライパンでアスパラガスを少し焦げ目がつくくらいによく焼いで、その上にポーチドエッグを乗せる。

味付けは、塩とコショウで十分だけど、足りなかったら、そこにお醤油を少々。
これがまた、すばらしくおいしかったぁ。
久しぶりに、でもないけど、ワインを飲んでしまう。

山椒鍋、そら豆ご飯、グリーンアスパラガスのポーチドエッグのせ。
どれも、白と緑の組み合わせが美しすぎる!