暑気払い

まるで台風一過のような空。
今日は久しぶりに青空が広がっている。

ベルリンで夏を過ごす時、恋しくなるのは冷やし中華だった。
一応、それらしきものも売られているのだが、どうも躊躇いの方が大きくなって、手が伸びずにいた。
温かいスープで出すおいしいラーメン屋さんは数あれど、麺を冷たくした冷やし中華には、お目にかかったことがない。
それで日本にいる今年は、ここぞとばかりに冷やし中華を作っている。

そもそものきっかけは、自分でタレが作れるようになったこと。
それまでは、麺とセットで売られている市販のタレを使っていた。
でも、色々と試行錯誤してみたら、案外簡単に自宅でもタレを作れることがわかったのだ。
材料は、昆布かつお出汁と、甘酢、柚子酢、はちみつ、塩、そして胡麻油である。

分量をまとめればもっと簡単に作れるようになるとわかってはいるのだけど、どうもそういうのが苦手で、いつも適当に作ってしまう。
適当に作るから、毎回微妙に味が違う。
違うけれど、毎回ちゃんとおいしくなる。

こんなに頻繁に家で冷やし中華を作れるようになった理由は、もうひとつある。
おいしい細麺が手に入るようになったのだ。
しかも、行きつけのラーメン屋さんの自家製麺である。

突破口を開いたのは、社交家のペンギンだった。
ダメもとで麺だけ分けてもらえないかと直訴したところ、店主が快く麺を分けてくれるようになったのである。
しかも、ものすごく安い値段で。
麺を買いに行くたびに、申し訳ない気持ちになる。
麺は太麺と細麺があり、太麺は焼きそばに、細麺は冷やし中華に適している。

極端な話、具は胡瓜だけでもいいくらいなのだ。
いろんな具材があればあったでおいしいけれど、冷やし中華好きとしては、細切りにした胡瓜だけでも満足できる。
今日は、少し贅沢に、胡瓜、トマト、ミョウガ、錦糸卵、それに蒸し鶏とハムをのせてみた。これから暑くなるから、冷やし中華は、毎日でも食べたい。

冷やし中華に並び、暑さ対策として始めたのが、銭湯通いだ。
以前も通っていたのだが、ここ数年はお休みしていたのだった。

暑い時に、もっと暑いところに行って汗を流すと暑気払いになることを教えてくれたのは、ベルリンで行くようになったサウナだった。
サウナもお風呂も、寒い季節のお楽しみと思ったら大間違いで、わたしは夏のサウナも大好きだ。
今日は気温が30度をこえて暑くなりそうだ、という日は、どうせ家にいたって何もできないのだから、さっさとサウナに行ってしまう。
サウナの中の温度から較べれば、たとえ外の気温が30度あろうが、涼しく感じる。
温度の感覚がわからなくなり、気持ちよく汗を流せるのである。

日本には、サウナの代わりとなる温泉がある。
夕方、自転車のカゴにお風呂道具を詰め、さくっと出かけ、汗を流す。
どんなに暑い日でも、外の露天風呂で風に当たると、涼しく感じる。
最近はあまり長居をせず、だいたい一時間くらいで帰ってくる。

今日もこれから、銭湯へ。
昨日、一昨日と雨で行けなかったので、久しぶりの温泉が嬉しい。