晩秋の宴
昨夜はお客様だった。
何を作ろうか迷って、以下の献立に落ち着いた。
柿の白和、茶碗蒸し、ポテトサラダ、お揚げと生揚げの姉妹煮、牡蠣の唐揚げ、里芋のショートパスタ
わたしの料理を食べていただくのが初めてのお二人だったので、まずは定番中の定番メニューを。
柿と牡蠣。
わたしはいまだに、正しいアクセントで発音することができない。
東京育ちの人にとっては、簡単みたいだけど、わたしはいつもお茶を濁す。
果物の柿です、とか、海の幸の牡蠣です、とか。
こうやって少し言葉を足すと、正しいアクセントになったりする。
どっちも秋の味覚だけど、長らくご無沙汰だったのは牡蠣の方。
果物の柿は、ベルリンのスーパーでも結構売っていて、しかもおいしかった。
名前もズバリ「KAKI」だった。
日本だと秋の果物という印象が強いけれど、スーパーでは年中見かけたような気がする。
海の幸の牡蠣の方は、あるにはあったが、高級品だった。
基本は生食用で、皆さん、幸せそうにシャンパンを飲みつつ、生牡蠣を堪能していた。
ドイツでは、基本、肉よりも魚の方が贅沢品で、特に生牡蠣は贅沢中の贅沢だった。
だから、わたしは一回も食べなかった。
そんなわけで、久しぶりの牡蠣である。
最初は定番のフライにしようと思っていたのだけど、牡蠣と一緒に届いた「牡蠣の美味しい食べ方」という案内に牡蠣の唐揚げが紹介されていて、それがとても美味しそうだったので、唐揚げにすることに。
フライだと、卵、小麦粉、パン粉、と三段階で衣をつけていかなくてはいけないけど、唐揚げだと小麦粉だけで済む。
それも、作る側としてはありがたいポイントだ。
小麦粉をまぶして揚げた牡蠣の唐揚げに、タレは、大根おろしと浅葱とポン酢とゆず酢を合わせたもの。
これがすこぶる評判が良かった。
さっぱりしていて、胃にずしんとこないから、スイスイ口に入ってしまう。
大根おろしが、消化を促してくれているような。
このメニューは、これから頻繁に登場しそうな予感だ。
今朝は、残った牡蠣で、牡蠣丼を作った。
こちらも冬になると食べたくなるうちの定番お丼。
親子丼の鶏肉を牡蠣に変えたもの。
牡蠣と卵は、相性がいい。
わぁ、もう年の瀬が目の前に迫っている。
来年の今頃、世界はどうなっているのだろう。