かりんちゃん
いつも沢庵を買いに行くお魚屋さんに行ったら、店先にかりんが山盛り置かれていた。
見ると、「ご自由にどうぞ」とある。
そこの棚にはよく、(お魚屋さんなんだけど)野菜なんかが並んでいる。
本当に持って帰っていいのか不安だったのでお店のおばさんに確認すると、毎年、近所のお屋敷の木になるかりんをいただくから、本当に好きなだけ持ってって、とのこと。
早い者勝ちだから、と言われ、それならと、遠慮なくいただいた。
かりんは、硬い。
以前、かりんを買ってきたはいいものの、硬くで包丁の刃が入らなかった。
それで今回は、一週間家で熟成させる。
本当に、いい香りだなぁ。
庭にかりんの木があるなんて、羨ましい。
そろそろ限界かな、と思い、試しに一つ包丁を当ててみたら、割とすんなり切れた。
かりんには、優れた薬効がある。
特に種子が大事とのことなので、種も一緒に蜂蜜に漬ける。
蜂蜜がもったいないので少なめにしたのだけど、すぐにかりんから水分が出て、次の日にはもうしっかりとシロップ状になっていた。
かりんは特に、喉に効く。
インフルエンザの予防にもなるというので、さっそくお湯で割って飲み始めた。
この季節はなるべく冷たいものを取らないようにしているけれど、炭酸で割ったのを飲んでみたら、これがまたとてもいい味。
夏は、梅。
冬は、かりん。
どっちも、ヨーロッパでは出会えなかった。
かりんは、色も綺麗だし、香りも素敵。
そばにいるだけで、なんだか穏やかな気持ちになる。