「つまらない日常」

先々週、急きょ、ゆりねも連れて帰国しました。
ペンギンをベルリンから送り出したのも束の間、予定通りこのままベルリンにとどまると今度は自分が日本に帰国できなくなる可能性が濃厚になると判断しました。
なんとかゆりねもいっしょに帰れるように、有能な友人たちの力をかりて、時間的にはぎりぎりのタイミングで、帰国の途につくことができました。
助けてくれた友人たちには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

当初の予定では2ヶ月くらいベルリンにいるつもりでしたが、結局、滞在したのはほんの2週間足らず。きっとわたしは、ペンギンとゆりねをベルリンから救出すべく、ベルリンに派遣されたような気がしてなりません。
なんとか、任務を果たすことができました。

帰国早々、ペンギンがAmazonで注文したぶら下がり健康器具を、半ベソをかきながら組み立てました。
多分、というか間違いなく、わたしがそれをしなかったら、ずーっと、半永久的に組み立てられないまま、箱にしまわれていたと思うので。
わたしだってこんなことやるの苦手なのになぁ、と幾度も文句を吐きながら、でもちゃんと説明書通りに組み立てられた時は、ちょっとした達成感を味わうことができました。
それで、少しでも体の不調が改善されるなら、お安いご用です。

ペンギンの仕事部屋に通いながら、わたしも時々、ぶら下がっています。
いつか、洗濯物干しにならないことを祈るばかりですが。

殻付きのクルミを箱買いしたら、あまりに殻が硬くてびくともせず悔しい思いをしたり、ゆりねを連れてお散歩に出かけたら、途中から全く歩かなくなって結局わたしが帰りは抱っこで連れて帰るはめになったり、なんだかなぁ、と思うことの連続だけど、そもそも日常って、つまらないものだったな、ということを最近、改めて思いだしました。

そして、非常事態宣言が出されたりして、ここまで日常生活に影響が出ると、そのつまらない日常が、いかに愛おしくてかけがえいのないものであるかを、痛感します。
日常なんて、つまらないくらいがちょうどいいんだな、と思います。

今日、本屋大賞の結果が発表になりました。
『ライオンのおやつ』は、2位でした。
票を入れてくださった書店員の皆さまに、心からの感謝を申し上げます。

『ライオンのおやつ』も、つまらない日常を積み重ねて、積み重ねて、積み重ねて、積み重ねて、その中からようやく誕生した物語です。

どうか、つまらない日常が、いちにちも早くわたしたちの手に戻りますように!