ペンギンと暮らす

教会巡り

2018.07.29 Sun

久しぶりにマルクトに行ったら、もうアンズ茸が出ていた。
オレンジ色の、ちょっと「きのこの山」(お菓子)に似ているキノコ。
7月も半ばを過ぎると、もうキノコの季節になってくる。

今月は、旅の月だった。
まず、リトアニアに行って、それからほどなく、今度は北イタリアへ。
ヨーロッパ内は、まるで国内旅行感覚で、気軽にどこへでも行くことができる。

リトアニアで印象に残っているのは、教会だ。
リトアニア人の8割はローマ・カトリック教会の信者で、本当にあちこちに、教会があった。
ベルリンにだって、教会はたくさんある。
けれど、ドイツの場合、宗教心はかなり希薄になりつつあり、使われなくなった教会は、コンサートや絵の展示など、どちらかというと公民館的な使われ方をしている。
けれど、リトアニアの教会は、そういうのではなく、今もちゃんと、人々の信仰の場として機能している。
そういう、きちんと現役で使われている教会は、やっぱり何かが違うと思った。
日用品と一緒で、教会も、ただ形だけあってもその存在感は輝かず、お茶碗とかお皿とかと同じように、日々、人々の手に触れられることで、美しさを増すのだ。
リトアニアでは、いくつ教会を訪れたのかわからないくらいたくさんの教会に足を踏み入れたけれど、そのひとつひとつが、本当に美しかった。
そしてそれ以上に、人々が本気で祈りを捧げる姿に、胸を打たれた。

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リトアニアは、祈りの国だ。
面積は、北海道よりやや小さいくらいで、人口も三百万人くらいしかいない。
何度も他国から攻められて、過酷な時代をくぐり抜けてきた。
今、きちんと地図の上に「リトアニア」という小国が存在していることは、奇跡に近い。
よくぞ、リトアニア語を絶やさず、歌を絶やさず、文化を絶やさず、繋いできたと思う。

今回の旅のメインだった歌祭りも、素晴らしかった。
国家の日のその日、世界中に住むリトアニア人が、リトアニア時間21時ちょうどに、世界で同時に国家を歌った。
その歌声と志に、私は涙が止まらなかった。

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ステージに立つ2万人と、会場にいるそれをはるかに上回る数の聴衆と、世界中に散らばったリトアニア人との歌声が、ひとつになって地球を包む。

帰り道、橋の上から美しい夕暮れの空を見た。
この旅で、もっとも印象に残っている色だ。

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私にとって、バルト三国との出会いはラトビアがきっかけだったけど、リトアニアもまた、とても好きになった。
ラトビアは精神的に強くて、逞しい男性的なイメージ。
対してリトアニアは、しなやかで、優しく、女性的なイメージ。
もっとも北に位置するエストニアと並んで、それぞれ、独立してから今年が100年だ。

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国家の日の7月6日は、国の至るところに、リトアニアの国旗が掲げられていた。
黄色は太陽を、緑はリトアニアの自然を、赤は自由や独立のために流された血を意味している。

リトアニアは2度目だったけど、北イタリアは、もう何度も行っている。
私は、好きになると同じ店や場所に何度も何度も繰り返して足を運ぶ。
だから、今回の北イタリアも、ほぼ、いつものところを転々とするルートになった。
まるで、旧友に会いに行くような。
北イタリアを巡る、黄金ルートができつつある。

フィレンツェにも一泊し、念願の、ひとり一皿スパイシートマトパスタを食べてきた。
実は、同じパスタをほぼ一年前に食べたのだけど、その時は3人で一皿をシェアした。
そしてその時に、心に決めたのだった。
次回は絶対に、ひとりで一皿を完食するぞ、と。
その願いを、果たすことができたのである。

今回は、サンタノベッラ薬局にも行くことができた。
フィレンツェの顔とも言える、サンタノベッラ教会のすぐ隣にある、世界でもっとも古い薬局のひとつと言われてる、サンタノベッラ薬局。
中が本当に素敵で感動した。

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まずはここの歯磨きペーストから使っているけれど、使うたびにうっとりしている。

今朝、8時前にゆりねの散歩に行ってきた。
ベルリナーは週末夜更かしをするので、その時間の日曜日は、まだひっそりとしている。
昼間は連日のように30度を超えているけれど、朝はひんやりした風が吹いていて、暑がりのゆりねもスイスイ歩いてくれる。
先週くらいから、近所のお菓子屋さんが2軒とも夏休みに入った。
それで、ふだんは行かないドイツ人がやっているカフェに入って、ミルクコーヒーを飲む。
その一軒だけが、軒並み繁盛していた。

ペンギンがいる時は、たいていその都度豆を引いて、家でコーヒーを飲んでいる。
豆は近所のコーヒー屋さんで焙煎したてのを買ってくるから新鮮で、正直、ドリップコーヒーなら外で飲むより、家で飲んだ方がおいしい。
でもたまーに、ちょっと雑に淹れた感じの、さほどおいしくないコーヒーが恋しくなる。

今朝飲んだミルクコーヒーは、まさにそのツボにはまる味だった。
おいしくない、けど、おいしい。
近所で、ふらりと飲むコーヒーは、このくらいがいいのかもしれない。
誰かが落としたパンの切れ端を、たくさんのスズメが群がってついばんでいた。
私は、その様子を見ながら、ちびちびとミルクコーヒーを飲んでいた。
日常っていいなー、と思いながら。

一昨日の部分月食が、きれいだった。

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これは、リトアニアの首都、ヴィリニュスの壁に展示されていたアーティストの作品。

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