ペンギンと暮らす

今日はもう書くのをやめた。

2019.08.15 Thu

チロル旅の最終日は、Bayrischzellでのんびり過ごした。
ここはもう、チロルではなく、ドイツのバイエルン州で、わたし好みの、小さくまとまったとてもいい町。
けれど、もちろん山に囲まれていて、やろうと思えば本格的な登山やハイキングもできる。

駅からすぐのホテルも、とてもかわいく、居心地がよかった。
今後、ここを定宿にしようと本気で思う。
バルコニーには色鮮やかな花がこぼれるように咲き、部屋においてあるソファや机も、感じがいい。
ゴージャス感は全然なくて、けれど品の良い物が大切にされておかれている感じが、とても良かったのだ。
それぞれの部屋はベランダで繋がっているので、窓を開けていると、たまにふらりと隣の部屋に泊まっている子どもが顔をのぞかせたり。
夜は、それぞれの部屋のベンチに座って、一緒に星を眺めたり。

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その日は30度を超えるという予報だった。
午前中、近くの広場で結婚式があるというので、その様子をそっと見に行く。
みなさん、民族衣装を着て正装している。
新郎新婦は、古いベンツに乗って登場した。

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みなさん笑顔で、民族衣装がとてもよく似合っている。

それから歩いて滝を見に行く。
とにかく、水が本当にきれい。
時々川べりで足を浸し、涼みながらテクテク。
すごい滝があった。
地元の子ども達が、滝壺に飛び込んで遊んでいる。

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お昼は、ホテルのビアガーデンでビールとフレンチポテトを食べる。

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そして午後は、川の水に足を浸しながら、読書を楽しむ。
読んだのは、『トーベ・ヤンソン 短編集』。
ふと顔を上げると、切り立った高い山の頂きが目に入り、水面では、太陽の光が反射して砕けている。
たえず響く水の音に癒され、もう百点満点をつけたくなるような夏の休日。
冷たい水で桃を冷やしていると、その横をスーッと魚が泳いでいく。

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本の中に、こんな文章を見つけた。
「今日はもう書くのをやめた。」
まさに、わたしの気持ちにぴったり寄り添う一文ではないか。
たまにはこんな一日があってもいい。

町には、教会と、数軒のカフェとレストランと、銀行のATMと、12時に閉まってしまうパン屋さんと、新鮮な肉を並べるお肉屋さんと、骨董品から電化製品までありとあらゆる物を細々並べる何でも屋さんがある。
もう、それで十分という気がした。

夕方からは、山の方にあるというビオホテルへ散歩に行く。
部屋は満室だったので泊まれなかったのだけど、レストランでの食事だけなら可能とのことなので、そこで夕飯をいただくことにした。
このホテルがまた、素晴らしかった。

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敷地には、馬や牛やアヒル達が放牧されている。
料理も洗練されていて、チロル旅の最後を締めくくるには最高の夜だった。

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星空の下、ほろ酔い気分で夜道を歩きながらホテルに戻った。

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