ペンギンと暮らす

真夜中の栗

2019.10.05 Sat

ただいま、日本!
すごい。道行く人がみんな日本人だ。そして、みんな、日本語を話している〜!!!
今まで、ぼんやりと「靄」に包まれていたような状態から、急にあらゆるものの輪郭がしっかりと見えるような感じ。

ベルリンで規則正しい生活をしていると、時間のリズムがきっちり体に組み込まれて、日本時間に合わせるのが、とてもしんどい。
体は疲れているのに、いざ布団に入って眠ろうとすると、頭の中に、電球が一個、二個、三個、四個と、灯っていき、どんどん眠れなくなる。
いっそのこと、ドイツ時間を引きずったまま、思いっきり夜型の生活をしてみようかとも思うのだけど、今回は仕事のスケジュールがぎっしり詰まっているので、朝寝坊するわけにもいかない。

あんまり眠れないので、深夜にもぞもぞと起き出し、電気を消したまま窓際で栗を食べた。
お腹が空いたら飛行機の中で食べようと思って、結局食べるタイミングがなく、日本まで持ってきた栗。
もう皮は剥いてあって、余計な味もつけていない、ただのシンプルな栗が素朴でとてもおいしい。
その栗を、ぼんやりと夜空を見上げながら食べる。

住んでいる集合住宅の廊下の照明の明るさに、くらくらした。
真夜中で、誰も歩いていないのに、電気だけが煌々とついている。
ずっと、当たり前だと思っていたけれど。
なんで、誰も歩いていないのに、一晩中つけておく必要があるのだろう、という素朴な疑問がわいた。

ヨーロッパのアパートの場合、必要な時だけスイッチをつけ、ある程度の時間が経つと、自然に消えるシステムだ。
最初はいきなり消えてびっくりしたこともあったけれど、暗くなってもスイッチの場所だけは光るので、すぐに明るくすることができる。
そんなシステムは、とても簡単にできると思うのだけど、なぜか日本では、ほとんど見かけない。

まぶしいなぁ、と思った。
エネルギーが無駄だし、電気代だってもったいない。
夜間の無駄な電気を消すだけで、どれだけそれを、別のことに使えるのだろう。
ぼんやりした頭で、栗を頬張りながら、そんなことを考えた。
そして、真夜中の栗を食べたら、すーっと寝られた。
おなかが空いていたのかもしれない。

虫の声を聞くと、あー、日本にいるんだなぁ、という実感がわいてくる。