ペンギンと暮らす

暮らしの根っこ

2019.09.04 Wed

日の出の時間が、だんだん遅くなってきた。
ずっと同じ時間に起きているとわかるのだが、朝起きて外を見ると、以前よりも薄暗い。
その、ぼんやりとした夜明けの感じが、とても日本の空に似ている。
秋だなぁ、としみじみ思う。
木々の葉っぱが、色づき始めている。

朝晩に吹く風はとても涼しくなったのだけど、昼間はかなり気温が高くなる。
連日、30度を超える暑さだ。
暑い日は、朝だけ窓を開けて涼しい空気を家の中に取り込み、風がぬるくなってからは窓を閉め切って、涼しい空気を閉じ込める。
石でできた家だから、密閉されるのだと思う。
そうすれば、外は暑くても、中は涼しくて気持ちがいい。

それでも限界があるので、昨日は久しぶりにプールに行ってきた。
行きつけのホテルのプールは、安いわりに空いていて、いつ行っても泳いでいる人は二、三人しかいない。
昨日もそうで、冷たい水の感触を味わいながら、自分のペースでゆったりと泳ぐことができた。
水の中にいるのは、やっぱり気持ちいい。
しばらく水と戯れていると、瞑想しているような気持ちになる。
窓からは青空が見えて、光を感じながら泳げるのもいい。

水が冷たいので、30分も入っていると体が冷たくなる。
それでも我慢して、更に15分だけ泳いだり歩いたりしてから、プールを出た。
その状態だと、外に出ても、もう体が完全に冷やされているから、暑さを感じない。
これでなんとか、一日を乗り切ることができる。
暑い日は、サウナもいいけど、プールもまた最高だ。

新しい本が発売になりました!
タイトルは、『暮らしの根っこ』。
以前『ESSE』に連載していた暮らしのエッセイを再編集したもので、私がふだんの生活で大切にしている物や習慣などをまとめた一冊です。

そして今日は、秋に出る次の小説の再校が終了した。
これで、私と作品とのへその緒が切れ、物語が一人歩きしていく。
最初はまだ上手に歩けないから、わたしが背中を支えたり、手を添えたりしなくてはいけないけれど。
私はもう、母の目で、わが子の後ろ姿に声援を送り、いってらっしゃい、と静かに見守ることしかできない。

私の毎日は、本当に、至って平凡だ。
同じことの、繰り返し、繰り返し、繰り返し、繰り返し、で成り立っている。
たまに旅行に行ったり、非日常的な時間が入ることもあるけれど、基本的には、朝起きて、お茶を淹れて、仏様に手を合わせ、お茶を飲みながら新聞に目を通し、それから仕事して(書いて)、おなかがすいたら朝昼ご飯を食べ、コーヒーを飲み、本を読んで、ゆりねと散歩して、買い物に行って、晩ご飯を作って、食べて、お風呂に入って、ヨガをして、寝る。
こんなふうに暮らすようになって、もう十年くらいなる。
そして、こういうささやかな日々の中から、物語が産声を上げる。

暮らしの根っこは、これさえあれば大丈夫、と思える太鼓判みたいなものかもしれない。