ペンギンと暮らす

オッキオディブエ

2019.05.28 Tue

日曜日の午前中は、半日だけフィレンツェへ行ってきた。
ランチを食べに、市場のそばのカフェを目指す。
着いたのは、最高にわたし好みの、年季の入った渋いカフェだった。

毅然とした態度のマダムが、テキパキと店を仕切っている。
ちょうどお昼時で、店の中はお客さんが溢れていた。
ランチを食べたいと言ったら、急遽、トイレの入り口の前に衝立を置いて、席を作ってくれた。
いつもなら、トイレの前の席は絶対に嫌なのだけど、衝立がひとつあるだけで気分が違ってくる。
そういう気配りが、とても嬉しい。

なんだかワクワクしてしまい、お昼間から、しかも夕方からひとつ仕事があったのだけど、プロセコを頼む。

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予想以上の量が出てきて驚いたけど、店の雰囲気は最高だし、続々と近所の人たちが来て、そのたびにマダムは親しげにハグをしているし、厨房からは次々とおいしそうな料理が出てくるし、映画の中の世界に迷い込んでしまったようで、とっても幸せになってしまったのだ。
あー、幸せ。
こういうの、好きだよねー。
と、何度ももうひとりの自分と会話する。
だって、本当に温かくて、いい雰囲気だったから。
この店なら、たとえ苦手なトイレの前の席だって、何時間もこうしていたいと思った。

料理は、パスタだけにした。
前菜の盛り合わせも気になったものの、最近、そんなに量が食べられなくなった。
3種類あった本日のパスタの中から、私はトマトソースのショートパスタにする。

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夢中でパスタを食べる間も、続々とお客さんが入ってくる。
こんなカフェが近所にあったらなぁ。
もう少しこの場所にいたくて、食後のデザートとカプチーノを頼んだ。

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ずっと、このお菓子が気になっていた。
持ってきてくれたマダムに名前を聞いたものの、どうしてもよくわからない。
ただ、マダムがしきりに、自分の目を指差していた。
サクッとして、間に挟んでいるジャムが甘酸っぱい。
もっと重たい食感かと想像していたら、見事に裏切られた。
とても、軽やか。
これなら、もう一枚くらい食べられそうだ。
そして、カプチーノのおいしいこと。
最初、スチームミルクが来ちゃったのかと思うくらい、牛乳がたっぷりで、その牛乳の泡が、まるで上等のマットレスみたいに弾力がある。
ユーロの10セント硬貨くらいなら、表面にのりそうな感じだった。
その泡の層の下に、濃厚なコーヒーがほんの少し入っていた。
ほほー、これが本当のカプチーノなんだな、と納得した。

それにしても、このおばあちゃまがお洒落だった。
旦那さんらしき男性と一緒に来て、飲み物だけ頼んで帰ったのだけど、ポシェットがさりげなくシャネルで、本当に似合っていた。
あまりに素敵だったので、失礼して、写真を一枚。

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後でイタリア語のわかる方に聞いたら、お菓子の名前は「オッキオディブエ」で、日本語に訳すと「牛の目」だという。
なるほど〜
確かに、ぬらぬらしている感じが、牛の目にそっくりかもしれない。

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