ペンギンと暮らす

長い長い春の宴

2019.03.08 Fri

どうやら今日は祝日らしい。
知らなかった。
しかも、ドイツ全土ではなく、ベルリンだけの祝日で、今年から始まったFrauen Tag (女性の日)だという。
そう思って改めて見回すと、確かに人々がいつになくのんびりしている。
祝日だから、スーパーなどのお店もほとんどが閉まっている。

今週は、お客様が遊びにいらした。
日本からのオカズさん夫妻と、蒜山工藝のおふたり、それにアルザス在住のジャックさん。
ジャックさんは、日本をこよなく愛するフランス人のお医者さんで、彼ら5人は、はるばるアルザスから車でベルリンにやって来た。
しかも、宿泊はドイツとの国境に近いポーランドの町で、二日間、ベルリンとポーランドを往復した。
陸続きのヨーロッパでは、これができる。

ただ、ベルリンでお客さんを案内するとなると、結構困る。
観光地らしい観光地もないし、まぁそういう場所に興味がない人たちだから、どうしたものか。
ベルリンの最大の魅力は、時間の流れ方だと思うのだけど、時間の流れに身を任せるほどの時間はない。
季節がよければ、公園を散歩したり、ビアガーデンに行ったり、森や湖に行ったりと、いろんな選択肢がある。
でも外がまだ寒い時期は、なかなか難しい。

悩んだ末に、一日目の夜は近所の雰囲気のいいドイツ料理店で食事をし、二日目はみんなで屋内マーケットに買い出しに行って、午後、家でのんびり長い昼食を楽しむことにした。
もちろん、というべきか、マーケットでもビールを飲む。
本当に、お酒をよく飲む人たちだ。

ぼちぼち白アスパラガスが出ているので、もし売っていたら今シーズン初の白アスパラガスを、と意気込んでいたのだけど、屋内マーケットの八百屋さんにはまだ出ていなかった。
八百屋さんで新鮮なキノコや葉物野菜などを、肉屋さんで牛のヒレ肉とソーセージを、ハム屋さんでハムとパンを、チョコレート屋さんでケーキをそれぞれ買って家に戻り、それから一気に料理して、乾杯した。

ふだん、7名での食事なんて滅多にないから、それだけで気持ちが弾んでくる。
いつもなら、何日もかけて減っていくパンも、これだけ人数がいるとどんどんなくなる。

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私がふだんおいしいと思って食べているものばかりだけど、それをみんなも喜んで食べてくれたのがとても嬉しい。
食事が終わる頃にはすっかり暗くなり、私はほろ酔い気分のままドイツ語の授業へ。
なんだか頭がボーッとしていつも以上に働かなかったけど、その分、幸せの余韻をたっぷりと味わえた。

ペンギンと過ごす週末も、今週が最後だ。
なので今週末は、いつになくのんびり過ごしてベルリンを満喫しようと思っている。

そうそう、今読んでいる内田洋子さんの本『モンテレッジョ 小さな村の旅する本屋の物語』(方丈社)の中に、とてもステキな文章を見つけた。

「本を選ぶのは、旅への切符を手にするようなものだ。行商人は駅員であり、弁当売りであり、赤帽であり、運転士でもある。」

イタリアにはかつて、重たい本を背負って他所の村々に本を届けた行商人がいたという。
ページをめくりながら、改めて、本屋さんという職業に心から感謝したい気持ちがむくむくと湧いた。