ペンギンと暮らす

女の園へ

2019.02.26 Tue

なんだか鼻がむずむずする。
頭も重い。
もしかしてこれは、花粉症だろうか?

体をスッキリさせたいので、ハマムへ行ってきた。
ハマムはトルコ式のサウナで、クロイツベルク地区にあるそこは、女の人だけが利用できる。

空いているかと思って行ったら、意外と混んでいた。
サウナなんか、もともと狭い上に、わんさか人が入るものだから、満員電車並みの混雑ぶりだった。
しかも、そうなんだなぁ、と後から気づいたのは、ハマムは女の人たちの社交場なのだということ。
仲良しグループ何人かで来ている人がほとんどなので、つまり、みなさん、裸でおしゃべり目的に来ているのだ。
古今東西、女の人が3人集まると賑やかだなぁ。

マッサージがいっぱいでできない代わりに、トルコ式のアカスリと石けんマッサージをお願いした。
あー、極楽。
アカスリは韓国の方が一枚上手という気がしたけど、石けんの泡をいっぱい泡だててマッサージしてもらうのは気持ち良かった。
日本でもサウナが脚光を浴びているようだけど、私もベルリンでサウナに目覚めた。
汗を流すって、最高に気分がいい。
単なる猛暑で汗が出るのはゲンナリするけど、サウナやホットヨガで滝のように汗が流れるのは、自分が生まれ変わるようで快適だ。

一瞬静かになった中庭で、ぼーっとしながら青空を見ていた。
表通りは賑やかなのに、一歩中に入ってしまえば静寂に包まれ、それぞれの人の暮らしが垣間見れる。
そうだよね、こういう普通の暮らしを守りたかったんだよね、と思った。

クロイツベルク地区は、もともとトルコ系の移民の人たちが多く暮らす地区だ。
ここはどこ? というくらいトルコ人が営む店やレストランが軒を連ね、週に3回は、大規模なトルコマーケットも開かれる。
野菜などはとにかく安くて新鮮だし、お上品ではないけれど、トルコ人は明るくて活気があるし、同じ外国人の身としては、どこかホッとする場所でもある。
土地が安かったから若い人が集まってきて、エネルギーに満ちた独特なパンクな地区になった。

そんなクロイツベルク地区に、グーグルが目をつけ、ヨーロッパの一大拠点を作ろうとプロジェクトを立ち上げた。
が、その計画に地域の住民が大反対。
毎月反対デモを行い、プロジェクトを頓挫させた。
おそらく、多くの他の都市だったら、グーグルを大歓迎したと思うけれど、そんな風には乗らないのがベルリナーなんだなぁ。
あっぱれ。
アメリカナイズされた価値観やライフスタイルが大量に持ち込まれることで、自分たちがこれまで築いてきた普通の暮らしを奪われることに我慢ができなかったというわけだ。
そしてその気持ちを、具体的に「デモ」という形で表明し、その住民の声をグーグル側も理解し、受け入れた。
グーグルはすでにその広大なビルの賃料を払ってしまっているので、その間は無料で住民に開放しているのだとか。
いかにも、ベルリンらしい展開だと思う。

民意って、そういうものだ。
誰かが、民主主義というのは、ひとりひとりが真剣に悩んで答えを出すことだと言っていて、まさにそうだ、と思ったけど、なら今沖縄で起きていることは、どうなんだろう。
日本は、表向きは民主主義国家になっているけれど、実感として、民意が政治に反映されているとは到底思えない。
自分の考えを言ったローラさんが批判されて、首相と談笑するアイドルグループが非難されないのも、不思議な話だと私は思う。

先週の日曜日だったと思うけど、地下鉄にあるニュースの掲示板に日本の首相とアメリカの大統領の笑顔のツーショット写真が出ていて、なんだろうと思って見ていたのだけど、数日後、安倍さんがトランプ氏をノーベル平和賞へ推薦する、その推薦文を書いたという報道を知って、納得した。
個人的に仲良くするのは勝手だけれど、日本を代表して推薦するのは、やめてほしい。
安倍さんは、策略と思って推薦したのかもしれないが、世界的に見たら失ったものの方が多いのではないかと思えてしまう。
なんだか、私は日本人です、というのも、胸を張って言えない時代になってきた。

クロイツベルク地区の住民がグーグルにノーを突きつけたのも民意なら、沖縄県の住民の辺野古移設反対も民意のはず。
そもそも、そんなマヨネーズ並みの緩い地盤に大量の土砂を流し込んで、多数の杭を打ち込んで陸地を作るなんて、非効率的なのでは?

そんなことをつらつらと考えているうちに、また女の人の集団がやってきたので、中庭を後にした。
女性が政治の中枢を担うようになったらもっと世の中がよくなるんじゃないかと期待するけど、それはまだまだ先の未来なんだろうなぁ。

女の園から帰ったら、ペンギンとゆりねが仲良く寄り添って昼寝をしていた。
ゆりねは最近、やっとペンギンを家族と認めるようになったのか、ペンギンの腕枕でも眠るようになった。
ペンギンが日本に戻るたびに関係が清算され、また次に来た時、一から信頼関係を築いていく。その繰り返し。
ゆりねが一緒に寝てくれるようになったことが、ペンギンにとっては何よりも嬉しいことらしい。

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春が近づき、わが家のサボテンさんにもポツポツと芽が伸びてきた。
サボテンの赤ちゃんみたいで、すごくかわいい。