ペンギンと暮らす

ハグって

2018.09.16 Sun

急に冷えたせいか、盛大におなかを壊した。
昨夜、ひとりしゃぶしゃぶをしてご機嫌になったのもつかの間、だんだんおなかの様子がおかしくなる。
ゆりねも私も、おなかは強い方で、滅多におかしくならないはずなのだけど。
最低気温を見たら11度となっていたから、やっぱり冷えたかな。
用心しないと。
夜中にうなされて、意識が朦朧とする中、白湯で漢方のお薬を飲み、おなかにカイロを貼って寝た。
今はもう、ほぼ大丈夫。
昨日、どこかにあるはずの腹巻を見つけられなかったので、ちゃんと用意しておかなくちゃ。
そろそろ、湯たんぽも必要かもしれない。

先週末は、立て続けに録画がたまっていたNHK特集を見て、なんだかどんよりとした気持ちになる。
一本目は、第二次世界大戦中の731部隊について。
本当にひどいことをやっていた。全く、ヒトラーがしていたことと変わらない。
たとえば、チフス菌入りの材料で作ったお饅頭を中国人に食べさせ、人体実験をしたり。
そのことに関与した兵士のインタビューがあって、彼の言っていることがとても興味深かった。
彼曰く、そういうことをして中国人が可哀想などと言ったら、それこそ非国民扱いされる雰囲気があった、と。
そう、雰囲気。
雰囲気が、怖いのだ。
言えない、雰囲気。同調圧力。
何も変わっていないのだろうか。

二本目に見たのは、棺桶型と言われる、世界でも類を見ない日本の超高齢化社会についての現実。
すでに、お年寄りが、お年寄りの面倒を見なくてはいけなくなっている。
ここ数年で、お年寄りの労働人口が、ものすごく増えているとのこと。
外国人の力に頼らなければ立ち行かなくなっているのに、それでも尚、外国人に対して日本は狭き門となっている。
それにしても、ベトナム人は、世界中から引く手数多だ。
勤勉で、温和で、外の社会に溶け込んで根っこを貼るのがうまいのかもしれない。
ベルリンにも、ベトナム人がたくさんいるけれど、確かに、とてもうまくやっている印象だ。
以前は、多くのベトナム人が日本に来たがったけれど、最近はその流れが少し変わり、台湾に行く人たちが増えているとか。
あまり門戸を閉ざしていると、そのうち、どうぞ、と言ってドアを開けても、もうその頃には誰も来なくなるんじゃないかと、心配になってしまった。
日本人から暴力を受けたという外国人の証言も、痛々しかった。

それから三本目に見たのが、人工知能の進化について。
すごいことになっている。
恐ろしいのは、どうして人工知能がそういう結論に達したのか、それがすでに人間にはわからない領域に入っているということ。
韓国では、政治の世界に人工知能を用いる動きもあるのだとか。
戦争にも、すでに人工知能が使われているというし。
自分の手を一切汚さずに、なんの心の痛みも体の痛みも感じずに相手を傷つけるなんて、想像しただけでおぞましい。
もちろん、人工知能にはいい面もたくさんあるのだろうけど。

話は変わるけれど、最近、難しいなぁと実感しているのが、ハグだ。
ヨーロッパにいると、この問題に直面する。
誰とハグをして、誰とハグをしないか、その線引きが、とても悩ましいのだ。
見ていると、こっちの人だって、誰とでもハグをするわけではない。
かと言って、昨日も会っている人と、今日も会ってまたしっかりハグをしている光景も見かける。
会う時もハグ、別れる時もまたハグだ。

私は、日本人なので、基本はお辞儀でいいと思っている。
わざわざ体を寄せて挨拶を交わすまでしなくても、日本のお辞儀には、その気持ちの度合いによって微妙に変えられるし、その行為だけで気持ちを伝えられる日本人は、素晴らしいと思う。
ドイツ人は、初めて会う場合はたいてい握手だ。
これはなかなか便利で、これから仲良くしましょう、私はあなたに敵対心は持っていませんよ、という意思表示のような気がする。

難しいのは、関係が深まってきてからで、うーん、いつからハグをしたらいいのかが、わからない。
どんなに親しくなっても、相手が日本人だったら、私は基本、ハグはしない。
あと、一時期親しくしていても、時間が経ってちょっとギクシャクしてしまった時とか、時と場合によって、したりしなかったりするのも、なんだか変な気がする。

それに、私としては、ハグは特別な感情表現として、キープしておきたいという気持ちもある。
たとえば、相手にものすごくいいことがあって、おめでとう! を伝えたい時とか。
あるいは、ものすごく悲しい出来事があって、それをどうやったって言葉では慰められない時とか。
そういう時は、私もぎゅっとハグをする。
でも、ふだんの挨拶でハグを使ってしまったら、いざ特別に相手を抱きしめたい時とか、どうすればいいんだろう、と思ってしまう。

日本は、豪雨や猛暑や地震、次から次へといろんなことが起きている。
だけど、先日新聞にのっていた、建築家、坂茂さんのインタビューはとても良かった。
坂さんは、被災地を訪ねては、よりよい避難生活が送れるよう、行動されている。
お金をもらってやる仕事も、ボランティアとしてやる仕事も、基本的に質は同じというのが、印象的だった。
外野からなんと言われようが、ボランティアをした方がいいと話されていたけれど、私も全く同感だ。

被災された方々が、一日も早く、ふだんの暮らしに戻ることができますように。
それこそ今は、ハグでしか表現できないような心境だ。