ペンギンと暮らす

障害物競走のごとく

2018.05.30 Wed

意味深な夢、第2弾。

私は、車に乗っている。
他に2名、フランスの文学祭に同行してくださった編集者さんも同乗している。
私は、あとひと月の命。
車の窓から、母がひょっこり顔を出す。
そして、「お嬢さんたち、アイラブユー!」と軽やかに言い、ビニール袋に入れたたい焼きをポンっと車の中に投げ入れた。

たった、それだけ。
でもその夢を見た後、私は布団の中で涙が止まらなくなった。
実際の母は、全然、そんなことを言うような人ではなかった。
でも、本当はそんなふうに軽やかに生きたかったんだな、と思ったのだ。
母の、奥の奥の奥の奥の方には、そういう母がいたのかもしれない。
私はそれに、気づくことができなかった。
そして、もう二度と母と会えないんだなぁ、と思うと、泣けてきた。
母からの、最後のメッセージのような気がした。
そういえば、母がよく、お土産にたい焼きを買ってきてくれたことを思い出した。

それでもって、その朝目が冷めたら、首がカチコチに固まっていた。
寝違えたのだ。
たまーにやってしまうのだけど、ここ数年はなくてホッとしていた。
私は、何か疲れがたまったりすると、すぐに首にきてしまう。

あれよあれよいう間に、首から背中、腰、おなかにまで痛みが広がり、やがて頭痛もするようになり、歩くのもしんどくなった。
こんな時、ひとりだと本当につらい。
週末はほぼ寝たきり。
食欲もなく、適当に保存食のお餅や、ゆりねのおやつ用に買い置きしていた栗など食べてなんとかしのぐ。
痛くて痛くて、日曜日はゆりねのお散歩もキャンセルした。

フランスから戻ってすぐ、ひとつ、大変なことが発覚していた。
借りているアパートには地下室があって(だいたいどのアパートにも地下室があるのだけど)、それぞれ鍵をかけて自分たちの荷物を入れて使っている。
ただ、私はちょっと地下室の様子が独房みたいで怖いのと、別に入れる物がないので、空っぽのまま使わないでいた。
何も置いていないので、地下室自体、長らく行っていなかった。
ところが、それをいいことに、何者かが私の地下室の南京錠を切断して、新しい南京錠を取り付け、勝手に自分の荷物を入れて使っていたのだ。
誰が、いつから使っているのかもわからず、これからの進展によっては警察を呼ぶことになる事件なので、それがものすごくストレスになっていた。
なによりも、そんなことをする人が身近にいる、ということに驚き、そしてショックを受けた。
管理会社に手紙を書いたりしないといけないし、ストレスがたまっていたのだった。

首の痛みとケラー問題のほかにも、やることやること裏目に出たり、ついていなかったり、ほんと、泣きたい気分だった。

昨日やっと中医学の先生のところに行き、鍼灸などしてもらい、少し回復し、なんだかやけっぱちになって、夜、白ワインを開けることにした。
冷蔵庫に入れてあった一本を取り出し、コルクを開けながら、でもなんでコルクのワインがうちにあるんだろう? と不思議になる。
私は、飲みたい時にすぐ飲めるように、コルクのワインは滅多に買わないのだ。
しかも、いつも買ってくるドイツのワインと、なんだかラベルの感じが違うなぁ、と思って、コルクを抜いた瞬間、思い出した。
あー、私ったら、何やってんだか。
この白ワインは、オセール文学祭の主催者から、参加の記念にといただいた、記念のシャブリだったのだ。
ペンギンが来たら、おいしいご馳走を作って、その時に飲もうと計画していたのに。
オセールはブルゴーニュ地方の中心地で、シャブリで有名なところ。
せっかくの大切な一本を、こんなタイミングで開けてしまうとは。
我ながら、情けなくなる。
もちろん、おいしかったのだけど。

更に、だったら写真くらい残しておこう、と思って白ワインの瓶を持ち上げた瞬間、今度はワイングラスの淵にぶつけてしまい、お気に入りのワイングラスを割ってしまった。
さすがにもう使えない。

そういうことが、いっぱいいっぱいあって、この一週間は、まるで障害物競走をしているようだった。
でも、それだけ大変なことがたくさん続いても、不思議と、気持ちがめげていないのが自分でも不思議。

今日は、首が痛くて仕事ができないし、気温が上がりそうなので、朝のうちにゆりねの散歩に行き、そのまま公園でグラウンディングをした。
裸足になって地面に触れると、痛みが和らぐと聞いたので。

確かに、気持ちよかった。
そして、何かが好転した。
多分、もう大丈夫。

ゆりねは、泥棒みたいな顔になっちゃったけど。

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今日いっしょに遊んでくれたワンコたち。