ペンギンと暮らす

極寒と灼熱

2018.02.09 Fri

来た来た来た来た、寒い冬。
やっと、冬らしい冬が来た。
最高気温0度、最低気温マイナス6度。
こういうのを、待っていた。

ただ、空がものすごく晴れているので、家の中にいる分には、ただの晴れの日と変わらない。
建物の作りが頑丈なせいか、日本の家の方が寒く感じるほど、部屋の中は暖かだ。
だから、外に出てビックリする。
でも、空が晴れていて気持ちがいいので、外を歩くのも苦にならない。
中には日光浴をしている人や、寒い中、外でコーヒーを飲む人たちもいる。
鳥も、鳴き始めた。

今週はずっとそんなお天気だったので、家にこもって、映画ばかり見ていた。
『海辺の生と死』もよかったし、『さざなみ』もよかったし、『永い言い訳』もすばらしかった。
『A FILM ABOUT COFFEE』は、コーヒー豆を巡るドキュメンタリーで、ふだん何気なく飲んでいるコーヒーがいかに貴重かを思い知らされたし、だからこそ、むやみに飲むものでもないと反省した。
あと、前にも見ていた『帰ってきたヒトラー』をもう一度、ドイツ語の勉強がてら見直した。
この映画は、ドイツの事情や風景と重ねてみると、より深みが増してくる。
中でも、もっとも印象に残ったのは、『ギフト 僕がきみに残せるもの』だった。

この作品は、難病のALSを発症した、元アメリカンフットボールの人気プレーヤー、スティーヴ・グリーソンのドキュメンタリーだ。
彼が、個人的に撮り始めたビデオダイアリーが元となっている。
彼は、病気を宣告されたのとほぼ時を同じくして、妻・ミシェルの妊娠を知る。
二人にとって、初めての子ども。
これほどの、人生の明暗もない。

ビデオダイアリーは、これから生まれてくるその子どもに向けて、グリーソンが残したものだ。
少しずつ体の自由が効かなくなっていくグリーソンの姿が、生々しい。
でも、それを支えるミシェルが、本当にすばらしいのだ。
そして、生まれてきた息子、リバース。
グリーソンは、抱っこができない代わり、リバースを電動車椅子に乗せてびゅんびゅん走る。

一人の人間の力がいかにすごいかを知らされた。
グリーソンに起きたことは、逆境にも負けず、なんていう簡単な言葉では抱えきれない。
父親との葛藤も含め、彼は、人の何倍もの光と影を味わった。
それでも、生きていこうとする姿に、心を打たれた。
グリーソンの活動により、多くのALS患者も救われた。
それは、彼だからこそ、なし得たことだ。

グリーソンは、次第に体の自由が効かなくなり、言葉も話せなくなる。
現役のアメフト選手時代からは想像もつかないほど、体もやせ細った。
それでも、魂のきらめきを感じさせてくれる姿が、美しかった。

それにしても、技術の進歩はすごい。
こんなふうに、簡単にインターネットで映画をダウンロードできることもそうだし、話すことができなくなったグリーソンに代わって、視線を動かすことで言葉を伝えるシステムもすごいと思った。
本人の声で再生されるので、まるでグリーソンがしゃべっているようにしか聞こえない。
グリーソンは今、そういう技術の開発にも取り組んでいるという。
まだまだたくさん見たい映画があるので、今月は、映画月間にしよう。

昨日は、木曜日なのでサウナに行ってきた。
極寒と灼熱を行ったり来たりして、たっぷりと汗を流した。
マイナスの気温の中、バスローブ一枚で外にいるなんて、想像するとゾッとするけど、これがなんとも気持ちよくて、やめられないのだ。
そして今日は午後、整体へ。

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追伸。
『卵を買いに』が発売になりました!
2015年の糸通信をまとめたものです。