ペンギンと暮らす

メルケルさん

2017.09.24 Sun

夏の遠足からあっという間に時が過ぎ、今は秋。
ヨーロッパの夏は、本当に短い。
もうすでに公園の木々は紅葉を始めているし、私は先週から、手袋のお世話になっている。
あんなに薄着だったベルリナー達が、気がつくと防寒対策ばっちりで歩いている。

夏の遠足の後、日本からのんのんが遊びに来て、一緒にイタリアに行って、それからバタバタと毎日が過ぎて、気がつけば今日はもうドイツの総選挙。
私にドイツの選挙権はないけれど、暮らしにはもろ直結する。
選挙結果によっては、安穏としてベルリンにいられない状況になるかもしれないと以前は思っていたけれど、今は、まぁ、大丈夫でしょう、という大方の予想。
昨年のアメリカのような結果にはなるまい。

春、ドイツ語の学校に通ってまず驚いたのは、頻繁にメルケルさんの名前が登場することだった。
「アンジェラ・メルケルはドイツの首相で、科学者です。」というドイツ語での言い方は、ほぼ初日に習ったし、「アンジェラ・メルケルは、コーヒーに砂糖とミルクをたっぷり入れます」という文章を作る練習をしたり、エレベーターで二人っきりになるなら誰がいいか、という話題でメルケルさんの名前が登場したり、とにかく、みんなから慕われているのを肌で感じた。
彼女は、「ドイツのお母さん」という愛称で呼ばれている。

世界中から来ている語学学校のクラスメイトや日本人の友人からも、「メルケルさんだからドイツが好き」とか「メルケルさんだからドイツに来た」という声を少なからず耳にした。
私もそうだ。
当たり前のことを、正々堂々とまっすぐにちゃんと言ってくれるメルケルさんは、私にとっての尊敬する人物。
世界中、なんだかなぁ、という政治家が多くなってきている今、メルケルさんみたいにちゃんとした正義感で真っ当なことを発言してくれる人は、とても貴重だと思う。

実は、今借りているアパートのとなりが、メルケルさん率いるCDUのイベント会場みたいなのに使われていて、選挙戦が始まってすぐの頃、いらしていたらしいのだ。
アパートの地上階にあるトルコ料理の店にも姿を現したらしく、早速その時の写真が飾ってあった。

もちろん、様々な意見の人がいて、メルケルさんを支持しない人だって当然いるだろうけれど、それでも、国民の多数がメルケルさんを支持するドイツという国は、やっぱり素晴らしいと思うし、そうやって自分たちの選んだ首相に誇りを持てるというのは、とても幸せなことだと思う。
振り返って、日本はどうなのだろう?
ドイツでは、メルケルさんを自分たちが選んだ、という意識が強いけれど、日本の場合は政治家と国民の間に壁があって、国民に選ばれたはずの政治家が、なぜか上から目線で国民を下に見ていることに、私はどうしても納得できない。

今日のドイツの総選挙、投票率はどのくらいなのかな。
私の場合、次の選挙から、ドイツにいても日本の選挙で投票できるようになった。
絶対に投票するぞ、と今から鼻息を荒くしている自分がいる。

メルケルさん、今日は隣のビルにいらっしゃらないかなぁ。
メルケルさんに、お会いしたいなぁ。
時々窓から外の様子を覗いては、様子をうかがっている。

そして私は、明日から日本に帰る。
わーい、約半年ぶりに日本の空気が吸える。
ゆりねとペンギンは、ベルリンで仲良くお留守番です。