ペンギンと暮らす

ぷかぷか天国

2017.06.25 Sun

夏至が過ぎて、これからはまた少しずつ陽が短くなって冬に向かっていくのかと思うと、ヨーロッパの夏は本当に短いなぁ、と実感する。
その年の状況にもよるけれど、だいたい、8月になると少しずつ景色が秋めいていくから、夏はあとひと月ちょっとだ。
今のうちにうんと太陽を浴びておかないと。
少しでも太陽が顔を出すと、とたんに外に出て日光浴をしている人の気持ちが、今では痛いほどよくわかる。
それくらい、冬が厳しいということだろう。
寒いことよりも、暗いことがとにかくこたえるそうだ。

エストニアは初めてだったけど、柔らかくて、女性的な国だった。
エストニアは、バルト三国のうちもっとも北にある国で、バルト海をはさんですぐ上はフィンランド。
フィンランドからはフェリーで気軽に来ることができるほど、距離的にも、そして文化的にもとても近い。
フィンランドに近い分、ラトビアよりも「都会」と言えるのかもしれない。
エストニア、ラトビア、リトアニアは歴史的に見てもかなり運命共同体だし、文化的に見ても、歌と踊りが大好きだったりとても近しい関係にある。
私はまだ、この三つの国の微妙な違いをうまく言葉にすることができないけれど、確かに、ちょっとずつトーンは違う気がした。
そして、運命共同体でありながらも、これら3つの国同士がちょっとしたライバル意識を持っているのが、とても面白い発見だった。

エストニアでは、スパホテルに一泊した。
そこに、海水のプールがあって、そこでぷかぷか浮かんでいた時間が、未だに忘れられないでいる。
最初、普通のプールかと思って入ったら、妙に体が浮かんで、口に入った水がかなりしょっぱかったので、海水だとわかった。
体の下に浮き輪を入れると、完全に体が浮かぶ。
水の中に耳をつけると音も遮断されて、今までいた世界が遠ざかっていく。
目を閉じてただただ流れに身をまかせるようにして浮かんでいると、だんだん、自分がどこにいるのかもわからなくなって、なんだか宇宙空間にぽっかり浮かんでいるような気分になってくる。

母の胎内にいる時も、きっとこんな感じだったのだろう、と想像したら、涙が出てきた。
おそらく、あのぷかぷかは、それ以来の経験だ。
気持ちよくて気持ちよくて、いつまでだってそうしていたいと思った。
あの時間をもう一度味わうためだけでも、またエストニアに行きたいと思うほど。
大きな腕でお姫様抱っこされているような感覚は、今まで味わったことのない不思議に満ちていた。
叶うなら、今すぐあの海水プールに戻りたい。
海だと、波があるから、ああいう感じにはならないのだろう。

エストニア&ラトビアの旅から戻ったら、すっかりドイツ語を忘れてしまっていて悲しくなったけど、仕方がない。
とにかく、そう簡単に語学が身につくはずはないから、2歩進んだら1歩戻るくらいのつもりで、地道にコツコツやるしかない。
7月と8月は学校をお休みにしているから、私にとっては一区切り。

おとといは、友人たちを招いて、うちで持ち寄りパーティーを開いた。
そういうことを気軽にできるのが、ベルリンのいいところ。
お客様は、ちびっこを含め、5人。
そんなに大人数を呼んだことがないし、スリッパも食器も足りないし、最初はちょっと不安だったけど、なんとかなるものだ。

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ラトビアから持ってきた燻製のソーセージは、大好評だったし、

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友人が家で作って持ってきてくれた生春巻きは、うっかり写真を撮るのを忘れるほど。

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友人が持ってきてくれたクロワッサンもおいしかったなぁ。

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私は、日本から持ってきた乾燥菊を戻して、それをくるみ和えにして出してみた。

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他にも、煮卵や、

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絹さやのきんぴら、

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ポテトフライを作る。

やっぱり、誰かに料理を作って食べてもらうのって、幸せなことだ。
語学学校に通っている間は、それこそ、自分の食事もままならなくて、ペンギンに送ってもらったインスタントのお味噌汁に頼るほどだったから、思いっきりストレスを発散することができた。
そうそう、途中から音楽が聞こえてきて、誰かが気を利かせてかけてくれているのかな、と思っていたら、外の、向かい側の公園の一角で、ミュージシャンが生演奏をしているのだった。
まるで、私たちのために演奏してくれているみたいで、嬉しくなる。
明日パリに行く人がいるから早く始めようと、夕方の5時からのスタートにしたのだけど、結局は12時近くまでずっと飲んだり食べたり喋ったりしていた。
初めてお会いしたアーティストの束芋さんとも、なんだかずっと前から知っているような感じでお話しすることができた。
すっかり、彼女のファンになってしまう。

そして、この日はゆりねの誕生日でもあった。
3歳になったゆりねは、みんなに抱っこしてもらって、ご満悦の様子。
きっと、ずっと先の未来から振り返ったら、私は今、ものすごくかけがえのない日々を送っている。
こんなふうに、ふらりとみんなが持ち寄りで集まれるベルリンって、やっぱりいい町だなぁと思った。

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