ペンギンと暮らす

ところかわれば

2018.10.11 Thu

カフェに入り、ふと顔を上げたら花瓶に活けられた花が目に入った。
一瞬、なんの花だっけ? と思いそうになり、ハッとする。
菊だった。
菊は仏花だと決めつけていたけれど、そうか、こういう活け方もあるんだな、と感心した。
色眼鏡で見ることは、怖いことだ。
菊を見ると反射的にお線香の匂いがしてきそうだったけど、それも私が、菊はこういうイメージ、と勝手に決めてしまっていただけのこと。
そうやって見ると、菊もまた、気品があり、と同時に色っぽくもある。

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昨日は、アーティストの束芋さんと、共通の友人のぴーちゃんと3人で、ティアハイムに行ってきた。
ティアハイムは、ドイツ国内にいくつもある動物の保護施設(その数、なんと約1000!)で、中でもベルリンにあるティアハイムは、最大規模を誇る。
家からは、一時間間ほどだった。

まず驚いたのは、その広さと、清潔さ。
コンクリート造りのモダンな建物で、敷地は、東京ドーム3つ分もあるとか。
ドイツのティアハイムはすべて寄付で成り立っており、行政が運営するのではなく、プライベートな施設だ。

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まずは犬棟から見て回ったのだけれど、一頭一頭が、室内と屋外を自由に出入りできる作りになっていて、床暖房も備えてある。
老犬やアレルギー、病気持ちの犬も、手厚く保護され、日本のように、保護されたらすぐに殺処分される、ということはない。
ドイツは、殺処分はゼロで、決して引き取り手が現れなかった生き物も、命が尽きるまで、ティアハイムで過ごすことができる。
ドイツには犬や猫を並べて売るペットショップはほぼ存在しない。
動物を飼いたかったら、ティアハイムに行って見つけるか、もしくはブリーダーさんに譲ってもらう。

一度飼い主から捨てられた犬は、大きなトラウマを抱えていて、なかなか人に懐かない。
だからティアハイムでは、引き取り手が見つかりやすいように、きちんとトレーニングを重ね、病気がある犬や猫には治療をし、新たな出会いがあるよう最善を尽くしている。

犬同様、猫たちも、とてもいい環境で保護されていた。
こちらもほとんどが個室で、室内と、外の空気が吸えるテラス、両方を行き来できる作りになっていた。
面白いのは、それぞれの個室に椅子が置いてあることで、おじいさんが中に入って椅子に座り、猫の様子を眺めていた。
相性を探っているのだろうか?
おもちゃなどもそれぞれに置かれていて、至れり尽くせりの環境だった。

ティアハイムがすごいのは、パートナー制度を導入している点で、たとえ家で飼うことはできなくても、気に入った生き物の後見人としてサポートすることができる点だ。
お金を送るのは、月々でも、年に一回でもいいらしく、そのサポートは、そのコが新たな飼い主にもらわれてからも続くという。
そうすることで、新しい飼い主の負担も減らすことができる。
中には、複数の後見人がついている犬猫もいて、そこにはきちんと名前が書かれていた。

ティアハイムには、犬や猫だけでなく、鳥や小動物、爬虫類、動物実験に使われていたサル、虐待を受けていた家畜など、たくさんの種類の生き物が保護されている。
動物にもきちんと幸せに生きる権利が保障されているのが、本当にすごいと思う。

日本では、いまだに殺処分が行われている。
確かに、以前より、数は減っているかもしれない。
でも、「殺処分ゼロ」のスローガンだけが一人歩きし、殺処分の数だけを減らすことが目標になり、そのせいで、動物保護施設がパンクしかかっているという話も聞いた。
手放された犬や猫は、殺処分自体は免れたものの、劣悪な環境で生かされている。

そうではなくて、安易に買ったり、安易に売ったりしないことが、一番の解決策につながると考えるのは、私だけだろうか。
私は、ゆりねを家族の一員として迎える前、コロをレンタ犬として毎週のように連れてきては、一緒に過ごした。
そうすることで、実際に犬を飼うことがどういうことかを、学ぶことができたので本当にいい経験になった。
そういうシステムがあったら、可哀想な結末を迎える犬や猫を、少しは減らすことができるかもしれない。

犬も猫も、カメもイグアナも、家畜だって、自分たちと同じ、ひとつの命を持った存在だということ。
そのことを、胸に刻んで帰ってきた。

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これは、犬棟にある、広いドッグラン。

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